ジャマイカ国防軍

ジャマイカ国防軍 (Jamaica Defence Force: JDF)

ジャマイカ国防軍（JDF）は、ジャマイカの独立を守るために組織された軍隊です。陸軍を基幹とし、航空団、沿岸警備隊、そして予備役部隊によって構成されています。2021年時点での総人員は約5,950名、予備役は約2,580名となっています。

歴史

JDFの起源は、1795年から1926年までイギリスの管理下にあった西インド連隊に遡ります。さらに、初期の植民地時代のジャマイカ民兵もその伝統を受け継いでいます。第一次世界大戦後にはキングストン歩兵連隊が再編され、ジャマイカ歩兵連隊として第二次世界大戦にも参加しました。1958年に西インド連邦が成立すると、西インド連隊は連邦の一部として再編されましたが、1962年の連邦解散に伴い、JDFが創設されることとなりました。

近年では、JDFは警察組織であるジャマイカ保安隊（JCF）を支援し、麻薬密輸や殺人などの犯罪対策にも従事しています。特に、凶悪犯罪が多発する地域やギャングの活動地域には、武装巡察隊を派遣しています。しかし、この措置については世論の賛否が分かれています。2005年には、野党指導者がJDFとJCFの合併を提案しましたが、与党、野党、そして国民の多くがこの提案を支持しませんでした。

組織

JDFは以下の組織で構成されています。

国防軍本部
第1部
第2部
第3部
第4部
国防軍情報隊（Int）
ジャマイカ連隊
第1大隊
第2大隊
第3大隊（予備役）
工兵連隊
第2野戦中隊
第3建設中隊
第4支援中隊
第5整備中隊
支援役務大隊（Sp Svcs Bn）
管理隊（AU）
補給隊（SD）
訓練補充部（Trg Depot）
作業部（W）
輸送隊（TU）
牧師隊（PU）
戦闘支援大隊（Cbt Sp Bn）
ジャマイカ軍楽隊
ジャマイカ連隊軍楽隊（TU）
航空団
沿岸警備隊

航空団

航空団（JDF Air Wing）は、JDFの航空部隊であり、人員規模は約140名です。ジャマイカ軍航空学校（JMAS）も運営しています。

沿岸警備隊

沿岸警備隊（JDF Coast Guard）は、JDFの隷下にあり、海上における法執行活動を主な任務としています。人員規模は約190名で、漁業保護、麻薬対策、出入国管理、税関業務のほか、有害物質の流出対策や海洋環境の保護も行っています。主要基地はポート・ロイヤルとペドロ諸島に設けられ、小型基地がディスカバリー湾にあります。

装備

JDFは、様々な小火器、火砲、車両、艦艇、航空機を装備しています。

小火器

FN ブローニング・ハイパワー
グロック17
M16自動小銃
M4カービン
SA80
L7A1
ブローニングM2重機関銃
M79 グレネードランチャー

火砲

L16 81mm 迫撃砲 × 12門
SBML 2インチ迫撃砲 × 不明

車両

装甲車両
ブッシュマスター（MRAP）：12台
V-150 コマンドウ：13台（退役とみられる）
輸送車両
ランドローバー・ディフェンダー
トヨタ・ランドクルーザー
トヨタ・ハイエース
トヨタ・コースター
トヨタ・ダイナ
フォード・LN7000
公用車
ボルボ・S90（参謀長専用車）
トヨタ・クラウン
トヨタ・コロナ
トヨタ・ハイラックス
トヨタ・カムリ
トヨタ・ランドクルーザープラド

艦艇

HMJS ナニー・オブ・ザ・マルーンズ (Nanny of the Marrons)
カウンティ型巡視艇
HMJS ミドルセックス（Middlesex）
HMJS ポール・ボーグル（Paul Bogle）
HMJS フォート・チャールズ（Fort Charles）

航空機

固定翼機
スーパーキングエア350 × 1機
ダイヤモンド DA40FP × 2機（訓練用）
ダイヤモンド DA42NG × 2機（訓練用）
回転翼機
ベル 407 × 3機
ベル 412 × 2機
ベル 429 × 5機
ベル 206 × 2機（訓練用）

階級

JDFは、独自の階級制度を有しています。

まとめ

ジャマイカ国防軍は、ジャマイカの安全保障を担う重要な組織です。その活動は、国境警備から犯罪対策まで多岐にわたり、ジャマイカの平和と安定に貢献しています。

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