スターアップル

スターアップル（スイショウガキ）とは

スターアップル（学名：Chrysophyllum cainito）は、アカテツ科に属する常緑高木で、熱帯地域を原産とします。中央アメリカや西インド諸島が原産地ですが、現在では世界中の熱帯地域で広く栽培されています。和名ではスイショウガキと呼ばれ、別名としてホシリンゴ、カイニット、ミルクアップルなど、様々な名前で親しまれています。

特徴

スターアップルは、成長が早く、20メートルにも達する高木です。葉は卵形で、表面は濃い緑色、裏面は銅色を帯びた黄色をしており、遠目には金色に輝いて見えるのが特徴です。花は小さく、紫がかった白色で、甘い香りを放ちます。自家受粉が可能で、結実しやすい性質を持っています。

果実は球形で、直径5～8センチメートルほど。果皮は紫、緑、赤色などがあり、滑らかで光沢があります。果肉は赤色か白色で、粘性のある白い乳液を含み、熟すと半透明の寒天状になります。甘味と芳香が強くなりますが、果肉の他の部分は甘渋い味がします。種子は大型で褐色で光沢があり、5～10個含まれています。

分布

スターアップルは、もともとはChrysophyllum argenteumという種から派生した栽培種であり、自生地はパナマのみとされています。しかし、現在ではオーストラリア、トンガ、メキシコ、ベリーズ、グアテマラなど中南米の各地、そしてカリブ海の島々、南米の国々など、熱帯の広い範囲に導入されています。

利用

果実は、濃い紫色のものと緑がかった茶色のものの2種類があります。紫色のものは果皮が厚く、果肉の水分が少ないのが特徴です。果肉を割ると星形の模様が見えることから、スターアップルと呼ばれています。果皮は蝋が多くて食べられませんが、果肉は甘く、生で食べることができます。冷やしてデザートとして食べると、より美味しくいただけます。また、葉で作ったハーブティーは糖尿病や関節リウマチの治療に使われてきた歴史があります。樹皮は強壮剤や覚醒剤になると考えられ、煎じ汁は咳止めに利用されてきました。東南アジアでは、観賞用樹木や街路樹としても利用されています。

人間との関わり

セントルシア出身のノーベル文学賞詩人デレック・ウォルコットは、詩集『カイニットの王国』の中で、スターアップルをカリブの象徴として捉えました。この詩集はスターアップルの名前を冠しており、その地域における文化的な重要性を示唆しています。

各国での呼称

スターアップルは、世界各地で異なる名前で呼ばれています。

• - 英語：star apple, cainito
• - スペイン語：caimito morado, caimo
• - 中国語：星苹果
• - フランス語：caimitier
• - マレー語：sawo durian
• - シンハラ語：rata-lawulu
• - タミル語：seemaipala-pallam
• - インドネシア語：sawo duren, sauh hijau
• - フィリピン：kaimito

このように、スターアップルは世界中で広く知られ、多様な文化の中で利用されている植物です。その甘美な果実と、薬用としての利用価値は、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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