スター芸能大合戦

『スター芸能大合戦』は、1977年4月3日から同年9月25日まで、TBS系列で毎週日曜12時からの45分間放送された、毎日放送制作の演芸番組です。江崎グリコの一社提供で、当時の人気芸能人が様々なかくし芸に挑戦するという内容でした。

番組の初期は桂三枝（後の六代桂文枝）が司会を務め、後期には有吉ジュンがアシスタントとして加わりました。審査員には、ハナ肇、大友柳太朗、池坊保子、加瀬邦彦、キャサリンという豪華な顔ぶれが並びました。特に、審査員たちがかくし芸に挑戦する回は、番組の大きな見どころの一つでした。

収録は毎日放送千里丘放送センター内のミリカホールで、観客を入れて公開形式で行われました。音楽は全て生バンドによる演奏で、テーマ曲には「リパブリック讃歌」をアップテンポにアレンジしたものが使用されていました。番組の演出にも力が入れられ、出場者のパフォーマンスを盛り上げていました。

番組の前半では、東西対抗戦という形式が採用され、各チームの代表がかくし芸を披露し、審査員の採点によって勝敗を決定していました。この形式は、フジテレビの『新春スターかくし芸大会』に似たものでした。後半では、個人戦となり、毎週チャンピオンが決定し、最終回にはグランドチャンピオン大会が開催されました。優勝者にはトロフィーが贈られ、天井から紙吹雪が舞う演出も定番でした。

初回放送では、男性タレントがキャンディーズやピンクレディーの楽曲に合わせてダンスを披露したり、スペシャルゲストとして山口百恵がシンデレラの仮装で登場したりしました。細川たかしと清水健太郎による落語「二人羽織」の披露も話題となりました。その他、中条きよし、月の家円鏡、谷啓、林家小染、月亭八方、桂文珍といった多彩な顔ぶれが出演しました。

審査員である大友、池坊、加瀬にとっては、この番組が初めての演芸番組レギュラー出演となりました。番組は、年間1000名以上の芸能人の出演を目指し、毎回20名近くの芸能人がかくし芸に挑戦する予定でしたが、視聴率競争で苦戦を強いられました。当時、人気番組だった「NHKのど自慢」や「クイズ・ドレミファドン！」、「大正テレビ寄席」、「あっちこっち丁稚」などの影響を受け、わずか半年で番組は終了しました。また、出場者がかくし芸の練習のために大阪まで遠征する必要があるなど、番組に対する不満の声も多く寄せられました。

後期には、審査の合間に「スーパーカーコーナー」が設けられました。これは、当時のスーパーカーブームに便乗したもので、番組オリジナルのキャラクター「スーパー仮面」が毎回一台ずつスーパーカーを紹介するというコーナーでした。

当時、この番組は民放で唯一の全国ネット枠で放送されており、関東と関西で同時に放送される唯一の番組でした。しかし、1972年の「がっちり買いまショウ」以来、同局の日曜12時台における江崎グリコの一社提供は、この番組が最後となりました。なお、後番組の「新伍とんでけ捕物帳」では、江崎グリコが引き続きスポンサーとなりましたが、複数社提供となりました。

放送開始日と同時間帯には、関東地方で「コッキーポップ」も放送開始され、こちらは5年3ヶ月続く人気番組となりました。

番組は視聴率の向上を目指して、放送時間を15分繰り上げ、放送時間も15分延長して放送されましたが、結果として、半年で番組は終了するという結果になりました。出演者や制作スタッフには、大きな負担があったと推測されます。

『スター芸能大合戦』は、豪華な出演者と趣向を凝らしたかくし芸、生バンド演奏といった豪華な演出が特徴でしたが、視聴率競争には勝てず、短命に終わってしまった番組でした。

もう一度検索