スバル・デックス

デックス（DEX）について

デックス（DEX）は、かつて富士重工業（現・SUBARU）が製造していた小型のトールワゴンです。ダイハツ・クーと姉妹車関係にあり、両モデルはダイハツ工業の池田工場で生産されました。2008年11月13日に発表されたデックスは、トヨタ自動車、ダイハツ工業、富士重工業の3社による業務提携の結果生まれたOEMモデルです。これはスバルにとってダイハツからのOEM車として第1号となります。

デックスには、ダイハツ製のK3-VE型直4DOHC16バルブ1,300ccエンジンが搭載されており、他の姉妹車であるクーやbBに用意されている1,500ccエンジンは採用されていません。トランスミッションは4速ATのみに限定され、シンプルなラインナップが特徴です。メーカーはデックスの足回りに関しても、クーと同様の性能を維持する判断を下したため、特に変更は加えられていませんでした。これにより、操安性や乗り心地も十分なレベルであることが保障されています。

デックスの外観は、フロントパーツにクーと共通のヘッドライトやフェンダーを用い、しかしバンパーやフロントグリルはデックス専用のデザインが施されています。特に、初代ステラの「カスタム」や「リベスタ」に似たデザイン要素が盛り込まれ、クローム処理された部分がスポーティーな印象を与えています。グレードには、ベーシックモデルの「1.3i」、上級モデルの「1.3i-L」、スポーティーな「1.3i-S」の3種類が存在し、どのモデルにもAWDオプションが提供されていました。ただし、ボディーカラーは5色に限定され、クーにて用意されているホワイトやグレイッシュパープルメタリックオパールは選択肢から外されていました。

年表

• - 2008年11月13日: デックスが公式に発表され、同日市場に投入されました。CMにはモデルとして蛯原友里が起用され、注目を集めました。
• - 2010年7月: 設定されていた仕様が改定され、いわゆるJC08コールドモードに対応することで、低排出ガス認定が「平成17年基準排出ガス50%低減レベル（☆☆☆）」へと変更されました。
• - 2011年11月: 生産が終了され、その後は在庫車両の販売のみ行われる状態となりました。
• - 2012年11月: 在庫として残っていた未登録車の登録がすべて完了し、デックスの販売は正式に終了しました。後に、スバルのトレジアが事実上の後継車として流通することとなります。

車名の由来

デックスの名前は「器用さや機敏さ」を意味する英単語「Dexterity」に由来しています。速さやスタイリッシュさをイメージしたネーミングで、さらに一部の宣材にはDEsign boXの略であるとも説明されています。この点では、姉妹車であるbBの「black Box」とも共通する部分が存在します。

関連モデル

• - トレジア: デックスの実質的な後継モデルで、2代目トヨタ・ラクティスのOEM車種ですが、スバルの開発にも関与しています。
• - トヨタ・bB: 2代目モデルで、デックスの姉妹車です。
• - ダイハツ・クー: デックスのベースモデル。
• - トヨタ・パッソ、ダイハツ・ブーン: それぞれ関連する車両です。
• - スバル・ジャスティ: 日本仕様の2代目で、デックスと同じくダイハツ製です。

デックスはその特異なデザインと実用性から、スバルのラインナップにおいて独自の存在感を放つモデルでありました。

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