セントー (空母)

セントー (HMS Centaur, R06) の概要

セントーはイギリス海軍の航空母艦で、セントー級の初めての艦船です。1953年に就役し、1965年にはその任務を終えました。本艦は艦番号R06を持ち、同名の艦としては6代目となります。艦はハーランド・アンド・ウルフ造船所で1944年に起工されましたが、第二次世界大戦の終結に伴い建造が遅れました。最終的には1947年4月22日に進水し、就役は9年後の1953年9月1日でした。

設計と艦歴

セントー級は、当初本艦のみがストレートデッキで設計されており、2番艦以降はアングルド・デッキが採用されています。セントーは1950年代から1960年代初期にかけて活動を行っていましたが、予算の制約から他艦と比べて改装が遅れたため、最終的には1965年に退役し、1973年に解体されました。

近代化改装

1956年から1958年にかけて、艦は広範囲にわたる近代化改装を受けました。この改装により蒸気式カタパルト、アレスティング・ワイヤー、6度のアングルド・デッキが新たに追加され、ホーカー シーホークやデ・ハヴィランド シーベノムなどのジェット機を運用する能力が向上しました。さらに1960年には、デ・ハビランド シービクセンやスーパーマリン シミターなどの第二世代戦闘爆撃機を運用するための最小限の改装が実施されましたが、艦の飛行甲板は狭く、特にシミターの安全運用が難しいと判断され、シービクセンのみが搭載されました。

映画出演

1959年、セントーは映画『ビスマルク号を撃沈せよ!』の撮影に利用され、多くのシーンで海軍の艦として目立ちました。ビスマルクの追撃に参加したイギリス海軍の空母として、艦橋や航空機搭乗員のブリーフィングルームでも撮影が行われました。

ラマダーン革命とアデン危機

1961年、イラクのカーシム大統領がクウェートの併合を発表したことにより、イギリスはヴァンテージ作戦を実施し、セントーを派遣してヴィクトリアスの支援任務に投入しました。また、1963年のアデン危機では、デイモン作戦においてシービクセンを用いて反抗的な部族民に対する攻撃を行いました。タンガニーカでのザンジバル革命では、反乱軍に対して迅速に海兵隊を展開し、成功裏に状況を鎮圧しました。

退役とその後

1965年、セントーのコマンドー母艦への改装は予算の制約により中止され、タイガー級防空巡洋艦の維持が優先されました。その後、セントーは宿泊艦として使用されることが多く、最終的には1970年にタスマニア島のデボンポートへ回航され、1973年にスコットランドで解体されました。

搭載機一覧

セントーは多くの艦載機を運用しており、ホーカー シーホークやデ・ハヴィランド シービクセンなど、様々な戦闘機やヘリコプターが搭載されました。搭載機の変遷は時代と共に変化し、その中には対潜哨戒機や艦上雷撃機も含まれています。

結論

セントーは、イギリス海軍において重要な役割を果たしてきた航空母艦であり、その活動は海軍史においても印象深いものです。航空機の運用能力、新しい技術の導入、そして多くの歴史的な出来事への関与は、セントーを魅力的な艦船にしています。

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