スーパーマリン シミター

スーパーマリン シミター (Supermarine Scimitar)

スーパーマリン シミターは、イギリスのスーパーマリン社によって設計された艦上戦闘攻撃機であり、イギリス海軍で使用されました。この機体は、特にその多機能性と独特なデザインで知られています。シミターは第二次世界大戦の終結後、1945年から開発が始まり、イギリス海軍のニーズに応えた形で誕生しました。

開発とデザイン

開発当初、ジェット機の技術は模索段階にあり、スーパーマリン社は軽量化を目指した設計を進めていました。計画には、降着装置を持たずに胴体で着陸する案も含まれていましたが、最終的にはこの提案は採用されませんでした。後に、ドイツから持ち帰られた後退翼のデータがシミターに活かされ、エリアルールを適用した機体は流線型のデザインを特徴としました。

シミターは、戦闘機や攻撃機、さらには戦術偵察機として多様な用途が可能な艦上機として設計されました。1951年には初飛行を果たし、1958年にはホーカー シーホークを代替し、部隊配備が開始されました。

部隊配備と役割

この機体は、核兵器を搭載する能力を備えたイギリス海軍初の近代的艦載機でした。しかし、ブラックバーン社のブラックバーン バッカニアが開発されたことにより、シミターはその前の段階の繋ぎ役とされ、生産数は76機のみとなりました。バッカニアは、甲板幅の狭さから、燃料を満載した状態で発艦できないという問題を抱えていました。このため、シミターは燃料ポッドを搭載した状態でバッカニアに空中給油を行いながら、1966年まで任務を継続しました。

シミターの開発が完了した後、スーパーマリン社はヴィッカース社に統合され、新たな時代を迎えることとなります。

機体性能

シミターのスペックは以下の通りです：

• - 全幅: 11.3 m
• - 全長: 16.8 m
• - 全高: 5.28 m
• - 空虚重量: 10,869 kg
• - 総重量: 15,500 kg
• - エンジン: ロールス・ロイス エイヴォン 202 ターボジェットエンジン × 2基（最大推力 11,250 lbf）
• - 最大速度: 1,140 km/h
• - 航続距離: 2,300 km（増槽使用時）

武装

シミターは多様な攻撃手段を持ち、以下の武装を搭載可能です：

• - 固定武装: 30mm ADENキャノン × 4門（各160発）
• - 爆弾やミサイルを搭載可能なハードポイント × 4カ所
• - 空対地誘導ミサイル: AGM-12Bブルパップ × 4発
• - 空対空ミサイル: AIM-9Fサイドワインダー × 4発
• - 爆弾: 454kg爆弾 × 2発
• - 3インチロケット発射機 × 16基（パイロン4つを追加装備）
• - 核爆弾: レッドベアードMk.2核爆弾 × 1発

このように、スーパーマリン シミターはその特徴的なデザインと多用途性により、冷戦期の航空戦力において重要な役割を果たしました。

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