セーニ (イタリア)

セーニ（Segni）は、イタリア共和国ラツィオ州ローマ県に位置する、人口約9,100人のコムーネ（基礎自治体）です。この地は、その長い歴史と豊かな自然、そして重要な歴史的遺産で知られています。

名称

セーニは、現代イタリア語以外にも異なる名称を持っています。ラテン語では「Signia（シグニア）」と呼ばれていました。

地理

位置と広がり

セーニはローマ県南東部に位置しています。周辺のコムーネと隣接し、山岳地帯に囲まれた場所にあります。

隣接コムーネ

セーニは以下のコムーネと隣接しています。

アルテーナ
コッレフェッロ
コーリ (ラティーナ県)
ガヴィニャーノ
モンテラーニコ
パリアーノ (フロジノーネ県)
* ロッカ・マッシマ (ラティーナ県)

歴史

古代

古代ローマの資料によれば、セーニの地は紀元前6世紀、王政ローマの第7代王タルクィニウス・スペルブスによってローマの植民都市として建設され、後にシグニアと呼ばれるようになりました。紀元前495年には、追加の植民者が送られたと記録されています。

古代の建築物としては、主に共和制時代に建設されたものが残っており、その中でも、多角形の石積みを用いて築かれた防壁が特に有名です。この防壁には、巨石を軒縁に用いた「ポルタ・サラチェーナ」などの城門システムが組み込まれています。

セーニの古代アクロポリスの頂上には、ユーノー・モネータの寺院の基壇が残っており、その上には中世（10世紀）に建設された聖ペテロ教会が立っています。これらの遺跡は、セーニの長い歴史を物語る重要な証拠です。

中世

セーニは中世においても重要な役割を果たしました。12世紀半ばには、教皇エウゲニウス3世が王宮を建設し、その後も多くの教皇たちがこの地を避難所として利用しました。また、オルシーニ家の宿敵であるマルシ伯爵家が12世紀にセーニを獲得し、この一族からは数多くの教皇（インノケンティウス3世、グレゴリウス9世、アレクサンデル4世）や枢機卿が輩出されました。これらの人物はコンティ家（コンティ・ディ・セーニ家）と呼ばれていました。

近世

1558年、セーニは教皇パウルス4世と対立していたアルバ公フェルナンド・アルバレス・デ・トレドの軍隊によって略奪されました。この略奪はカンパーニャの他の町にも影響を与え、多くの住民が逃れる事態となりました。この事件は、当時の混乱と戦争の激しさを物語っています。

行政

セーニは、広域行政組織である山岳部共同体 XVIII Comunità dei Monti Lepiniに属しています。この組織を通じて、セーニを含む山岳地域の発展と振興が図られています。

人物

ゆかりのある人物

セーニは著名な人物も輩出しています。その一人が、イタリアの政治家ジュリオ・アンドレオッティです。彼はセーニ出身の父を持っており、この地との深いつながりがあります。

まとめ

セーニは、古代ローマ時代から中世、近世に至るまで、様々な歴史的出来事の中心となった場所です。古代の遺跡や中世の教会が残るこの地は、歴史愛好家にとって魅力的な場所です。また、周辺の自然も美しく、歴史と自然が調和した美しいコムーネとして知られています。

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