フロジノーネ県

フロジノーネ県（Provincia di Frosinone）は、イタリア共和国ラツィオ州に属する県であり、その中心都市はフロジノーネです。この県はラツィオ州の南部に位置し、内陸部に広がっています。県域は北にアブルッツォ州、東にモリーゼ州、そして南東にはカンパニア州と境界を接しており、地形的にも多様な表情を見せています。

地理

フロジノーネ県は、その地理的な位置から、周辺の州との交流が盛んです。具体的には、北はラクイラ県（アブルッツォ州）、東はイゼルニア県（モリーゼ州）、南東はカゼルタ県（カンパニア州）、南はラティーナ県、北西はローマ県と隣接しています。これらの県との関係は、歴史的にも経済的にも重要です。

県内には、フロジノーネをはじめとする多くの都市が点在しています。2001年の国勢調査によると、人口1万人を超える主要都市としては、フロジノーネ（46,024人）、ソーラ（22,074人）、カッシーノ（20,369人）、チェッカーノ（13,709人）、フェレンティーノ（12,032人）、イーゾラ・デル・リーリ（11,236人）などが挙げられます。これらの都市は、県内の経済活動や文化の中心地として重要な役割を果たしています。また、アナーニも歴史的な重要性を持つ都市として知られています。

歴史

フロジノーネ県は、歴史的に教皇領の一部でした。1816年には、教皇国家がフロジノーネを中心とするフロジノーネ管区を設置しました。1870年、イタリア王国が教皇領を占領すると、ローマ県が設置され、その下位区分として郡（Circondario）が設けられました。この際、フロジノーネを中心とする地域はフロジノーネ郡となりました。現在の行政区画としてのフロジノーネ県（Provincia di Frosinone）は、1928年に成立しました。この県の成立は、地域の行政を効率化し、経済発展を促進する上で重要な転換点となりました。

人物

フロジノーネ県は、歴史を通じて多くの著名な人物を輩出してきました。古代ローマ時代には、軍人・政治家のガイウス・マリウスや、政治家・文筆家・哲学者のマルクス・トゥッリウス・キケロがアルピヌム（現在のアルピーノ）で生まれました。また、風刺詩人のユウェナリスはアクイヌム（現在のアクイーノ）の出身です。

中世には、ローマ教皇のグレゴリウス9世とボニファティウス8世がアナーニで、神学者・哲学者トマス・アクィナスがアクイーノ近郊のロッカセッカで誕生しました。また、枢機卿・歴史家のカエサル・バロニウスはソーラの出身です。近現代では、軍人のロドルフォ・グラツィアーニがフィレッティーノで、映画監督・俳優のヴィットリオ・デ・シーカがソーラで、映画俳優のマルチェロ・マストロヤンニがフォンターナ・リーリで生まれました。これらの著名な人物は、それぞれの分野で大きな足跡を残し、フロジノーネ県の文化的、歴史的な豊かさを象徴しています。

フロジノーネ県は、その歴史、地理、そして文化的な豊かさから、イタリア国内でも重要な地域の一つとして認識されています。多様な歴史的遺産や自然景観を有しており、訪れる人々にとって魅力的な場所です。

脚注

イタリアの県の一覧

外部リンク

県公式サイト （イタリア語）

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