ソニック (列車)

特急ソニック：九州の速達特急列車

概要

特急ソニックは、九州旅客鉄道（JR九州）が博多駅を起点に、中津駅、大分駅、佐伯駅へと至る特急列車です。鹿児島本線と日豊本線を利用し、福岡県と大分県を主要に結びます。その歴史は1995年、特急「にちりん」の一部列車として883系電車（通称「青いソニック」）を導入した「ソニックにちりん」に遡ります。その後、883系の増備や、885系電車（通称「白いソニック」）の投入、そして「にちりん」の運行体系変更を経て、現在のような運行形態が確立されました。ソニックは日中の博多―大分間において1時間あたり上下2本運行され、速達タイプと停車タイプの2種類が運行されています。北九州市と福岡市間の都市間輸送においても重要な役割を果たしており、山陽新幹線や高速バスとの競合関係も存在します。列車名の由来は、883系電車の愛称である「ソニック（音速の）」からきています。

運行概況

2024年3月16日現在、博多―大分間を29往復、博多―佐伯間を1往復、博多―中津間を1往復、中津―大分間を1往復運行しています。日中の博多―大分間では、速達タイプは約2時間、停車タイプは約2時間15分を要します。列車番号は博多―大分間を1番台から、中津―大分間を100番台から、博多―中津間を200番台から割り当てられています。多客期には小倉―大分間の増発列車も運行されますが、883系や885系を使用する列車のみが「ソニック」として運行され、それ以外の車両を使用した列車は「にちりん」となります。小倉駅では進行方向が変わるため、車内放送で座席の転換を促します。

停車駅

2023年3月18日現在、日中の運行では、速達タイプが折尾駅、黒崎駅、小倉駅、行橋駅、中津駅、別府駅に停車し、停車タイプはこれらに加え、香椎駅、赤間駅、戸畑駅、宇島駅、柳ケ浦駅、宇佐駅、杵築駅などに停車します。早朝・夜間は、吉塚駅、福間駅、東郷駅、八幡駅、下曽根駅などに停車する列車も設定されています。また、スペースワールド駅、築城駅、中山香駅などには、季節やイベント開催日に臨時停車する場合があります。

使用車両

ソニックには、大分車両センター所属の883系電車と、南福岡車両区所属の885系電車が使用されています。「青いソニック」と呼ばれる883系は1995年から運用され、主に博多―大分間と中津―大分間で使用されています。一方「白いソニック」と呼ばれる885系は2000年から運用開始され、博多―大分間、博多―中津間、博多―佐伯間で使用されています。車両故障などの際には、783系や787系電車が代走として投入されることもあります。かつては485系電車も使用されていましたが、現在は使用されていません。

大分市観光ナレーション

下りソニックの一部列車では、石丸謙二郎氏による「大分市観光ナレーション」が放送されています。石丸氏は大分市出身であり、この放送は彼の地元愛を反映したものです。2011年の放送開始以来好評を博し、2013年には公募作品と石丸氏自身による作品に更新されました。放送される内容は、「高崎山のサル酒」や「坂本龍馬が歩いた道」など、大分市の観光スポットや文化を紹介するものです。

乗車制度の特例

ソニックは、小倉駅で折り返し運転を行うため、西小倉駅―小倉駅間は重複乗車となりますが、運賃計算においては西小倉駅折り返し扱いとなり、この区間のキロ数は加算されません。特急料金やグリーン料金についても同様の扱いとなります。これは、国鉄時代末期に西小倉駅に鹿児島本線ホームが設置されるまでは、小倉駅―西小倉駅間が日豊本線のみだったことと関連しています。この特例により、博多―大分間の営業キロは200km以内となり、運賃が抑えられています。

沿革

ソニックの運行開始から現在までの歴史、ダイヤ改正による運行体系の変化、使用車両の変更、そして「にちりん」との関係性などを詳細に解説します。特に、2000年以降のダイヤ改正と車両変更、そして「白いソニック」の導入などが重要な転換点となっています。近年は、新型コロナウイルス感染症の影響による減便や、臨時列車の運行状況の変化についても記述します。 また、車内販売廃止や、停車駅の変更などの情報も含まれています。

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