ダッジ・キャリバー

ダッジ・キャリバー：日米で活躍したクロスオーバーSUV

ダッジ・キャリバーは、アメリカの自動車メーカークライスラーが傘下のダッジブランドから販売していた5ドアハッチバック型のクロスオーバーSUVです。2005年にコンセプトモデルが発表され、2006年には北米国際オートショーで正式にデビュー。日本市場にも2007年から2010年まで導入されました。

デザインと特徴

キャリバーのデザインは、ダッジブランドらしい力強いフロントグリルと大きく張り出したホイールアーチが特徴です。ネオンの後継車種として開発され、SUVやピックアップトラックを思わせるたくましい印象を与えます。ボディサイズはコンパクトクロスオーバーSUVに分類され、扱いやすいサイズ感も魅力でした。

パワートレインとプラットフォーム

キャリバーの開発には、当時ダイムラークライスラーが資本提携していた三菱自動車工業の技術が大きく貢献しています。エンジンは、三菱、クライスラー、現代自動車の共同開発による「ワールドエンジン」シリーズの直列4気筒エンジンを搭載。排気量は1.8L、2.0L、2.4Lが用意され、欧州仕様車にはフォルクスワーゲンの2.0Lディーゼルエンジンも設定されていました。トランスミッションは5速MTとジヤトコ製のCVTが組み合わされ、日本仕様車には2.0LエンジンとCVTの組み合わせのみが用意されていました。

プラットフォームは三菱との共同開発によるGSプラットフォームを採用。駆動方式は当初FWDとAWDが用意されていましたが、2009年モデルからはFWDのみとなりました。

高性能モデル「SRT-4」

2006年のシカゴオートショーでは、高性能モデル「SRT-4」が発表されました。2.4L直列4気筒エンジンに可変バルブタイミング機構（DVVT）と三菱製のTD04ターボチャージャーを搭載し、285hpという高い出力を実現。6速MTと組み合わせられ、スポーティな走りを楽しめるモデルとして人気を集めました。駆動方式はFWDのみでした。

日本市場での展開と販売終了

日本市場では、2007年からダッジディーラーを通じて販売が開始されました。競合車種である三菱アウトランダーとの棲み分けを考慮し、当初はSEおよびSXTグレードのFWDモデルのみが導入されました。しかし、2009年にクライスラーが連邦倒産法第11章を申請したことで、日本市場への2010年モデル以降の導入が凍結。戦略の見直しが行われ、日本での販売は終了しました。生産は2012年に終了し、後継車種としてアルファロメオ・ジュリエッタのプラットフォームを流用したダッジ・ダートが登場しました。

キャリバーの評価

キャリバーは、スタイリッシュなデザインと、三菱との技術提携による信頼性の高いパワートレイン、そしてホットモデルSRT-4の存在など、多くの魅力を持つクロスオーバーSUVでした。しかし、クライスラーの経営問題により、その販売は短命に終わってしまいました。もし、クライスラーの経営状況が安定していたら、キャリバーは日本市場でより長く活躍できた可能性もあったと言えるでしょう。

関連車種

クライスラー・ネオン
三菱・アウトランダー
三菱・ランサー
三菱・ギャランフォルティス
* 三菱・RVR

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