チェリー (曲)

スピッツの「チェリー」は、1996年4月10日にリリースされた13枚目のシングルであり、バンドを代表する楽曲の一つです。発売当初はノンタイアップであったにも関わらず、発売から4週目でオリコンチャート1位を獲得し、ミリオンセラーを達成しました。その売り上げ枚数は『ロビンソン』とほぼ同数の161.3万枚に達し、スピッツの人気を不動のものとしました。

タイトルの由来について、ボーカルの草野マサムネは当初「僕たちチェリーボーイズということで……」と語っていましたが、後に「（ヴァージンという意味もあるが）桜は春に咲く花、そういう意味でも何かから抜け出す、出発するようなイメージ」と説明しています。この言葉が示すように、楽曲には新たな始まりを予感させるような、爽やかで前向きな印象が込められています。

ミュージックビデオは、室内でメンバーが演奏するシンプルな構成で、白や明るい鮮やかな色を基調とした衣装やセットが特徴です。この映像はカット割りをせず、ワンカットで撮影されており、計算された演出が楽曲の魅力を引き立てています。

「チェリー」は、カラオケでも根強い人気を誇り、JOYSOUNDの年間ランキングでは2012年から2014年にかけて常に上位にランクインしています。その人気は現在も衰えることなく、幅広い世代に歌い継がれています。

2019年からは、NTT東日本のテレビCMで「チェリー」が使用され、サビの歌詞「愛してる」と「ICT」を掛け合わせた「ICT（アイシテ）る？」というキャッチーなフレーズが話題となりました。これにより、新たな層にも楽曲が浸透しました。

さらに、2023年7月には、Billboard JAPANチャートにおいてストリーミング累計再生回数が1億回を突破しました。90年代の楽曲としては史上3曲目の快挙であり、1億回を達成した楽曲の中では最も古いリリース作品となりました。この事実は、「チェリー」が時代を超えて愛される名曲であることを証明しています。

収録曲



1. チェリー
- アルバム『インディゴ地平線』、『RECYCLE Greatest Hits of SPITZ』、『CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection』に収録。
- 調はハ長調。
2. バニーガール
- アルバム『インディゴ地平線』に別ミックスで収録。

シングル盤のジャケットはメンバーの横顔をデザインした切手が並べられたもので、初回盤には切手型のシールが直接ジャケットに貼付されています。また、7thアルバム『インディゴ地平線』の初回盤のオレンジトレーを外すと、バックインレイにポストカードが印刷されており、切手を貼るスペースが設けられています。

限定7インチシングル



前年に発売されたアナログ盤『ロビンソン』に続き、“GOLDEN HIT SERIES”の第二弾として、1996年7月7日にアナログ盤（7インチシングル）として限定発売されました。B面には、1994年の作品ながら、1996年1月にドラマ「白線流し」に起用され大ヒットした「空も飛べるはず」が収録されています。ジャケットは、ラムネ菓子ペッツのスピッツモデルの写真が使われています。

収録曲:


キャンペーンソング



2006年3月から3ヶ月間、FM802春のキャンペーンソングとして「チェリー」が起用されました。このキャンペーンでは、スピッツ自身だけでなく、多くのアーティストがカバーした音源が、FM802の放送や着うたで公開されました。主なカバーアーティストには、押尾コータロー、KAN、斎藤誠、少年ナイフ、SALT & SUGAR、スキマスイッチ、Scoobie Do、SEX MACHINEGUNS、CHABA、つじあやの、東京60WATTS、BONNIE PINK|BONNIE_PINK、PUFFY、POLYSICS、aiko、伴都美子などがいます。2006年5月24日には、この楽曲をカバーしたアーティストが集まってのオムニバス・イベント『COLORS OF CHERRY』が開催され、草野マサムネもゲストとして参加しました。

2014年までに音源化されたカバー作品は以下の通りです。


演奏メンバー




この楽曲をカバーしたアーティスト（一部）





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