ツヅラフジ科

ツヅラフジ科 (Menispermaceae)

ツヅラフジ科は、双子[[葉植物]]に属する科で、約70属500種から構成されています。その大部分は熱帯地域に分布しており、日本は分布の北限にあたるため、わずかな種しか見られません。

形態

ツヅラフジ科の植物は、多くがつる性の木本ですが、一部には草本性のものや低木も存在します。雌雄異株であり、花は小さく、花弁、がく、雄しべは数個、雌しべは1つまたは3つ（離生）であるのが一般的です。葉は互生します。

人間との関係

食用

ツヅラフジ科の植物は、一般的にアルカロイドを含んでいるため、人にとっては有毒であり、食用には適しません。

薬用・毒

伝統医学では、ツヅラフジ科の植物を薬として利用することがあります。また、南米の熱帯雨林に分布するChondrodendron属、Abuta属、Curarea属などの植物から抽出される毒はクラーレと呼ばれ、先住民によって矢毒として使用されてきました。クラーレの有効成分であるd-ツボクラリンなどは、神経伝達を遮断することで筋肉を麻痺させ、死に至らしめるほどの猛毒です。しかし、経口摂取では毒性を発揮しないため、狩猟用の矢毒として最適です。この毒の構造を基に、筋弛緩剤の一種であるスキサメトニウムが開発されるなど、医療分野への応用も進められています。

矢毒の原料となる植物は、ツヅラフジ科の他にもキンポウゲ科、キョウチクトウ科、クワ科、マチン科、トウダイグサ科などがありますが、地域によって使われる植物が異なり、特に南米ではツヅラフジ科の有毒植物が多く利用されています。

弦

日本の籠の一種である葛籠は、現在では竹で作られるのが一般的ですが、かつてはツヅラフジ類の弦を編んで作られていました。また、日本語の「葛藤」という言葉は、ツヅラフジの漢字表記である「葛藤」に由来するという説があります。この言葉は、ツヅラフジの弦が絡み合う様子から生まれたと言われています。

分類

ツヅラフジ科の植物は、そのほとんどが熱帯性の種であり、和名が定まっていないものが多く存在します。以下に、主な亜科、連、属を示します。

亜科 Chasmantheroideae
連 Burasaieae
Aspidocarya
Borismene
Burasaia
Calycocarpum
Chasmanthera
Chandlera
Chlaenandra
Dialytheca
Dioscoreophyllum
Diploclisia
Disciphania
Fawcettia
Fibraurea
Hyalosepalum
Jateorhiza
Kolobopetalum
Leptoterantha
Odontocarya
Orthogynium
Parabaena
Paratinosopora
Penianthus
Platytinospora
Rhigiocarya
Sarcolophium
Sphenocentrum
Syntriandrium
Tinomiscium
Tinospora
連 Coscinieae
Anamirta
Arcangelisia
Coscinium
亜科 Menispermoideae
連 Anomospermeae
Abuta
Anomospermum
Caryomene
Diploclisia
Echinostephia
Elephantomene
Elissarrhena
Hypserpa
Legnephora
Parapachygone
Pericampylus (ホウライツヅラフジ属)
Rupertiella
Sarcopetalum
Telitoxicum
連 Cissampelidae
Antizoma
Cissampelos
Cyclea (ミヤコジマツヅラフジ属)
Perichasma
Stephania (ハスノハカズラ属)
連 Limacieae
Limacia
連 Menispermeae
Menispermum (コウモリカズラ属)
Sinomenium (ツヅラフジ属)
連 Pachygoneae
Cocculus (アオツヅラフジ属)
Haematocarpus
Hyperbaena
Pachygone
連 Spirospermeae
Limaciopsis
Rhaptonema
Spirospermum
Strychnopsis
連 Tiliacoreae
Albertisia
Anisocycla
Beirnaertia
Carronia
Chondrodendron
Curarea
Eleutharrhena
Macrococculus
Pleogyne
Pycnarrhena
Sciadotenia
Synclisia
Syrrheonema
Tiliacora
Triclisia
Ungulipetalum
所属不明
Callicrypta

脚注

参考文献

島袋敬一編著 『琉球列島維管束植物集覧』 九州大学出版会、1997年。

この文章は、ツヅラフジ科に関する一般的な情報を提供することを目的としています。詳細については、専門書や研究論文を参照してください。

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