ティルチラーパッリ

ティルチラーパッリ（Tiruchirappalli）は、南インドのタミル・ナードゥ州に位置する主要都市であり、ティルチラーパッリ県の県庁所在地です。一般にはティルチ（Tiruchi）またはトリッチー（Trichy）という略称で親しまれています。イギリス統治時代にはトリチノポリ（Trichinopoly）として知られていました。この都市はカーヴェーリ川のほとりに発展し、タミル・ナードゥ州のほぼ中央に位置しています。

都市名の由来

ティルチラーパッリという名称は、タミル語の「ティル（திரு）」、「チラー（சிரா）」、「パッリ（பள்ளி）」の3つの要素から構成されています。「ティル」は「吉祥なる」という意味を持ち、人名や地名に冠される接頭辞です。「チラー」はジャイナ教の修行者の名前、「パッリ」はジャイナ教寺院を指す一般名詞です。したがって、ティルチラーパッリは「吉祥なるチラーの寺院」という意味になります。また、別の説として、「ティルチラー」が「シュリーランガナータン」の訛った語形であり、「吉祥なるランガナータンの寺院」という意味であるという見解も存在します。

歴史

ティルチラーパッリの歴史は非常に古く、6世紀にはパッラヴァ朝のマヘーンドラヴァルマン1世がこの地を支配下に置きました。その後、12世紀にはチョーラ朝、同世紀末にはパーンディヤ朝の支配を経て、1310年にはハルジー朝の武将マリク・カーフールによって占領されました。その後、マドゥライ・スルターン朝の支配下に入りましたが、1370年代にはヴィジャヤナガル王国のクマーラ・カンパナによって征服されました。その後、マドゥライ・ナーヤカ朝の支配下に置かれ、しばしばその首都となりました。1736年には、カルナータカ太守の一族チャンダー・サーヒブによって占領されました。第二次カーナティック戦争においては、マイソール王国とカルナータカ太守がこの地の支配権をめぐり争いました。

1795年、ムハンマド・アリー・ハーンがマドラスで死去した際、その遺体はティルチラーパッリに埋葬されました。1801年、イギリスはカーナティック条約によってこの地を領有し、1947年までその統治下に置きました。

ティルチラーパッリは、古代から重要な拠点として、様々な王朝や勢力の支配下を経験し、豊かな歴史と文化が育まれてきました。現在でもその歴史的遺産は数多く残されており、観光客にとっても魅力的な都市となっています。

関連項目

タミル・ナードゥ州
タミル・ナードゥの県
ティルチラーパッリ県

外部リンク

ティルチラーパッリ県 （英語）
* シュリーランガム寺院 （英語）

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