ディック・バン・アースデール

ディック・バン・アースデール：フェニックス・サンズの象徴

ディック・バン・アースデール（Richard Albert Van Arsdale, 1943年2月22日 - 2024年12月16日）は、アメリカのプロバスケットボールリーグNBAで活躍した元選手です。インディアナ州インディアナポリス出身で、フェニックス・サンズのオリジナルメンバーとして知られ、ファンからは"original Sun"として愛されました。彼の背番号『5』は、サンズの永久欠番となっています。

生い立ちとキャリア初期

ディック・バン・アースデールは、一卵性双生児の兄であるトム・バン・アースデールと共に、バスケットボールの道を歩み始めました。二人はインディアナポリス・マニュアル高校時代に、1961年の州トーナメント決勝に進出し、トレスター賞を共同で受賞しました。インディアナ大学卒業後、1965年のNBAドラフトで全体10位指名を受け、ニューヨーク・ニックスに入団。兄のトムもデトロイト・ピストンズから11位指名を受け、一卵性双生児が同時に指名された初のケースとして話題になりました。

ニックスでは、ルーキーイヤーからローテーション入りを果たし、12.3得点4.8リバウンドを記録。トムと共にオールルーキー1stチームに選出されました。2年目には先発に昇格し、15.1得点7.0リバウンドまで数字を伸ばしましたが、3年目には出場機会が減少し、シーズン終了後にフェニックス・サンズのエクスパンション・ドラフトにかけられることになりました。

フェニックス・サンズでの活躍

サンズに入団したディックは、ここでオールスター選手へと成長を遂げます。1968-69シーズンには、前シーズンを大幅に上回る21.0得点6.9リバウンド4.8アシストを記録。サンズ最初の公式戦で最初の得点を決め、ゲイル・グッドリッチと共にサンズ初のオールスター選手に選出され、"original Sun"の称号を与えられました。

その後も3シーズン連続でアベレージ20得点以上を達成し、コニー・ホーキンズらと共にチームの中心選手として活躍。1970-71シーズンにはキャリアハイとなる21.9得点を記録し、1973-74シーズンにはオールディフェンシブ2ndチームに選出されています。サンズもディックらの活躍により、創部2年目には早くもプレーオフに進出し、1971-72シーズンには49勝33敗まで勝率を伸ばしました。

しかし、好成績を残しながらもプレーオフ進出は1回のみで、その後はプレーオフを逃し続け、ディックらにとっては我慢のシーズンが続きました。

世代交代とファイナル進出

1975-76シーズンには、オリジナルメンバーはディックただ一人となり、サンズは世代交代を進めます。1975年には新たにポール・ウェストファルとアルヴァン・アダムスを獲得し、チームの主役はディックからこの若い2人に譲られました。

1975-76シーズンのサンズは、6シーズンぶりにプレーオフに進出。レギュラーシーズンの成績は42勝40敗と平凡でしたが、プレーオフでは粘り強い戦いでシアトル・スーパーソニックスとゴールデンステート・ウォリアーズを破り、NBAファイナルに進出しました。ボストン・セルティックスとのシリーズは、トリプル・オーバータイムまでもつれた第5戦など、NBA史に残る激戦となりましたが、サンズは惜しくも優勝を逃しました。

引退後

ディックは1976-77シーズンを最後に現役を引退。NBA通算成績は12シーズン921試合の出場で、15,079得点3,807リバウンド、平均17.1得点4.3リバウンドでした。

引退後はサンズのゼネラルマネージャーやフロント職を歴任し、現在は球団シニア・バイス・プレジデントを務めています。1987年には短期間ヘッドコーチとしてチームを率いました。

兄のトムもディックと同じ時期に移籍を経験し、同じ時期にキャリアの全盛期を迎え、同じ回数オールスターに出場。1976-77シーズンには弟のいるサンズに移籍し、ラストシーズンを兄弟同じチームで過ごし、同じ年に現役を引退しました。

2024年12月16日に死去。81歳でした。

主な業績

オールスター出場：1969年－1971年
オールルーキー1stチーム：1965年
オールディフェンシブ2ndチーム：1974年
背番号『5』はフェニックス・サンズの永久欠番

ディック・バン・アースデールは、フェニックス・サンズの歴史に名を刻む偉大な選手として、永遠に記憶されるでしょう。

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