デュッセルドルフ交響楽団

デュッセルドルフ交響楽団（Düsseldorfer Symphoniker）は、ドイツのデュッセルドルフを拠点とする、ドイツで2番目に古い歴史を持つ市立オーケストラです。本拠地はトーンハレ・デュッセルドルフであり、コンサート活動のほか、ライン・ドイツ・オペラのオーケストラとしても活動しています。

歴史

デュッセルドルフのオーケストラ文化は、約400年前に遡ります。1614年に宮廷都市として栄えたデュッセルドルフでは、デュッセルドルフ宮廷楽団が創設され、バロック音楽の中心地となりました。ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルやアルカンジェロ・コレッリといった著名な音楽家がこの宮廷楽団を訪れ、華やかな音楽文化が花開きました。

1720年に宮廷楽団が解散した後、そのメンバーはマンハイム楽派の礎を築き、現代オーケストラ音楽の原点となりました。1818年には、デュッセルドルフ市立音楽協会が設立され、フリードリヒ・アウグスト・ブルグミュラーが初代「市立音楽監督」に就任しました。その後、フェリックス・メンデルスゾーンやロベルト・シューマンといった歴史的な音楽家が音楽監督を務めました。

1864年にオーケストラは市に移管され、デュッセルドルフはアーヘンに次いでドイツで2番目に市立オーケストラを設立した都市となりました。1863年から1865年までレオポルト・アウアーがコンサートマスターを務めたことも特筆されます。2014年には、トーンハレ・デュッセルドルフの大ホールが、かつての音楽監督メンデルスゾーンに敬意を表して「メンデルスゾーン・ザール」と改名されました。

戦後も、ハインリヒ・ホルライザー、ジャン・マルティノン、ウィレム・ヴァン・オッテルロー、ベルンハルト・クレー、デヴィッド・シャローン、サルバドール・マス・コンデ、ジョン・フィオーレ、アンドレイ・ボレイコといった名指揮者が指揮を執り、2015年からはアダム・フィッシャーが首席指揮者を務めています。

現在、デュッセルドルフ交響楽団は130人の音楽家を擁し、ノルトライン＝ヴェストファーレン州の州都デュッセルドルフの芸術文化を牽引しています。また、東京芸術大学名誉教授の山本正治が過去に首席クラリネット奏者を務めていました。2024年には、Opus Klassik賞（持続可能性のためのイノベーション部門）を受賞しました。

指揮者

歴代の音楽監督は以下の通りです。

フリードリヒ・アウグスト・ブルグミュラー (1812–1824)
ルイ・シュポーア及びフェルディナント・リース (暫定音楽監督 1824年 - 1833年)
フェリックス・メンデルスゾーン (1833–1835)
ユリウス・リーツ (1835–1847)
フェルディナント・ヒラー (1847–1850)
ロベルト・シューマン (1850–1854)
ユリウス・タウシュ (1854–1890)
ユリウス・ブーツ (1890–1908)
カール・パンツナー (1908–1923)
イェオリ・シュネーヴォイクト (1924–1925)
ハンス・ヴァイスバッハ (1925–1933)
ヒューゴ・バルツァー (1933–1945)
ハインリヒ・ホルライザー (1945–1952)
オイゲン・シュツェンカー (1952–1960)
[ジャン・マルティノン]
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス (1966–1971)
ヘンリク・チェズ (1971–1974)
ウィレム・ヴァン・オッテルロー (1974–1977)
ベルンハルト・クレー (1977–1987)
デヴィッド・シャローン (1987–1993)
サルバドール・マス・コンデ (1993–1999)
ジョン・フィオーレ (2000–2008)
アンドレイ・ボレイコ (2009–2014)
アダム・フィッシャー (首席指揮者) (2015-)

コンサート

ウィーン楽友協会やコンセルトヘボウをはじめ、ロシア、スペイン、ポーランド、中国、日本など世界各地でツアーを行っています。年間約250回のコンサートを開催し、本拠地トーンハレ・デュッセルドルフでは定期演奏会のほか、家族向けコンサートや特別コンサート、ガラコンサートなどを実施しています。また、ライン・ドイツ・オペラのオーケストラとして、デュッセルドルフとデュースブルクの2つの歌劇場でも演奏しています。

録音

首席指揮者アダム・フィッシャーの指揮のもと、グスタフ・マーラーの全交響曲（12曲）をドイツ放送協会と共同で録音しました。この録音は高い評価を受け、2019年には第1番の録音が「BBC Music Magazine Award」の「最優秀オーケストラ録音」賞を受賞し、同じ年に第3番の録音が「Opus Klassik」を受賞しました。

社会的な活動

教育活動にも力を入れており、オーケストラのメンバーによる学校訪問や、学生によるリハーサル訪問を実施しています。また、2001年からは若者向けのコンサートを定期的に午前中に開催しています。27歳以下の若者や学生がコンサートを観覧しやすいように、入場券は8ユーロから、または半額で購入できます。さらに、トーンハレのユースシンフォニーオーケストラ（15歳から25歳）を支援し、メンバーへのレッスンや合同コンサートを開催しています。

外部リンク

Düsseldorfer Symphoniker
Musikverein Düsseldorf

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