トウコウエルザ

トウコウエルザとは

トウコウエルザは、日本の競走馬および繁殖牝馬であり、1974年に優駿賞最優秀4歳牝馬を受賞したことで、その名を広めました。彼女は、昭和49年（1974年）の世代に位置し、同期にはキタノカチドキやコーネルランサー、フジノパーシア、タカエノカオリ、イットー、サクライワイといった優れた競走馬たちがいます。

戦績

トウコウエルザは、1973年11月11日に競走馬としてデビューを果たしましたが、初勝利を挙げるまでには時間がかかり、1974年2月3日まで待つ必要がありました。この時点で彼女はまだ下級条件馬であり、クラシックシーズンの開始時には大きな注目は集めていませんでした。しかし、この年、彼女は嶋田功騎手に目をかけられたことで一変します。嶋田騎手は、オークスでの三連覇を狙っており、トウコウエルザとのコンビが組まれることになりました。

最初は特別戦で3着となったものの、すぐに条件戦を勝ち上がり、名誉ある優駿[[牝馬]]（オークス）への出走権をつかみます。オークスにおいては、当初の単勝人気は高かったものの、レース当日は26頭立ての9番人気にまで落ち込みました。それでも、彼女は見事な競り合いを制し、優勝を果たしたのです。この勝利により、パーソロン産駒は4年連続のオークス制覇を達成し、嶋田騎手は3年連続の勝利を印象づけました。

その後、秋のシーズンにはクイーンステークスやビクトリアカップで連勝し、トウコウエルザはまさに4歳牝馬の女王と称される存在となりました。しかし、1975年には古馬となり、牝馬限定のレースが少なかったため、牡馬相手の中長距離戦線に挑むことになります。1977年1月5日、ラストランとなった金杯（東）では勝利をつかむことができませんでしたが、天皇賞（秋）や宝塚記念、高松宮杯では3着に入り、牡馬相手に互角に戦った実力をアピールしました。また、1975年の京王杯オータムハンデキャップでは、最低人気から6番人気でオークス馬ナスノチグサに次ぐ2着に入るという快挙を成し遂げました。

引退後

引退後のトウコウエルザは、武田牧場で繁殖牝馬として過ごしましたが、出産には苦労し、中央競馬で3勝を挙げたメイプルトウコウ（父プレストウコウ）のみを残しました。そのため、彼女の血統は限られたものであり、エルザスキーからアンバーエルザ、ボーンフリーへと続く牝系が残るも、ボーンフリーの用途変更により近年その系譜は途絶えてしまいました。

その祖母の姉にあたる競走馬セカイイチは、1955年春の天皇賞で2着に入った後、京都記念（春）を制するという輝かしい戦歴を持っています。

トウコウエルザの伝説は競馬ファンの心に残り、彼女の名は日本競馬史に刻まれています。

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