トヨタ・カローラルミオン

カローラルミオン（初代：2007年 - 2015年）

カローラルミオンは、トヨタ自動車が日本国内で製造・販売していた小型トールワゴン型の乗用車です。カローラシリーズの一員であり、「ルミオン」という愛称で親しまれていました。このモデルは、北米市場で展開されていた「サイオンxB」をベースに、日本国内の保安基準や道路事情、そして日本人の好みに合わせて改良されたものです。

開発の背景

カローラシリーズは、世代を重ねるにつれて購入層の高齢化が進んでいました。ルミオンは、この状況を打破するために開発されました。また、販売を終了したカローラランクスとカローラスパシオの後継車種としての役割も担っていました。当時の目標月間販売台数は3,500台と設定されていました。

車両の特徴

ルミオンは、全長こそアクシオやフィールダーよりも短いものの、日本国外向けのカローラセダン（E150型）とオーリス／ブレイド（E150H型）のプラットフォームをベースとしていました。そのため、車幅が1,700mmを超え、国内販売のカローラシリーズとしては初めて3ナンバー登録となりました。エンジンは、サイオンxBの2.4Lではなく、1.5Lと1.8Lの2種類が用意され、日本の交通事情に合わせて最適化されました。生産は、トヨタ自動車東日本岩手工場が担当していました。

日本向けのカローラシリーズとしては唯一、新MCプラットフォームを採用していたため、PCDが114.3mmの5穴ホイールが全車に採用されていました。また、角ばったボディ形状がトヨタ・bBを連想させ、若者を中心にカスタムベース車として高い人気を誇りました。

初代モデルの歴史

2007年 10月9日: 販売開始。「ゴツンとルミオン」というキャッチコピーが用いられ、高田純次さんがCMナレーションを担当しました。
2007年 12月21日: 特別仕様車「Chocolate」と「AEROTOURER Chocolate」を発表。マルーンマイカの特別外板色が特徴で、期間限定で販売されました。
2008年 4月22日: 特別仕様車「AEROTOURER SORA」を発表。ライトブルーマイカメタリックの特別外板色が採用されました。
2008年 9月8日: 特別仕様車「1.5G Smart Package」と「1.8S Smart Package」を発表。スマートエントリー＆スタートシステムなどの装備が追加されました。
2009年 12月22日: マイナーチェンジを実施。燃費性能の向上が図られ、1.8L車にはバルブマチックエンジンが搭載されました。外観も一部変更され、新色も追加されました。
2011年5月20日: トヨタカローラ店チャネル創立50周年を記念した特別仕様車「1.5G"On B"」と「1.8S"On B"」を発表。黒を基調とした内装と、シルバーをアクセントにした外装が特徴です。
2012年 5月8日: 特別仕様車「1.5G"On B Limited"」と「1.8S"On B Limited"」を発売。リアルーフスポイラーなどの装備が追加され、よりスポーティな仕様となりました。
2013年 1月7日: 一部改良。エンジンの燃焼効率向上などにより燃費が向上しました。また、VSC&TRCが全車標準装備となりました。
2015年4月: 北米仕様の2代目サイオン・xBが販売終了しました。
2015年11月: 生産終了（新規受注を含む）。在庫のみの対応となりました。
2015年 12月28日: 販売終了。同時にトヨタのウェブサイトからも掲載が終了しました。

2代目（2021年 - ）

2021年10月11日: トヨタ自動車より、スズキ・エルティガのOEM車として「トヨタ・ルミオン（RUMION）」が南アフリカ市場で発表されました。フロントマスクは、エルティガよりも太いグリルで高級感を演出しています。車名は、かつて日本で販売されていた「カローラルミオン」のスペルがそのまま使用されています。

販売店

カローラルミオンは、トヨタカローラ店で取り扱われていました。

車名の由来

COROLLA: ラテン語で「花の冠」を意味します。
RUMION: 「ROOMY」と「UNIQUE」を組み合わせた造語です。