トヨタ・ヴィオス

トヨタ・ヴィオス（VIOS）

トヨタ・ヴィオスは、主に東南アジアや中近東地域で販売されているサブコンパクトセダン、およびハッチバックです。経済成長が著しいこれらの地域において、ヴィオスは重要な役割を担っています。

概要

ヴィオスの生産は、中国、タイをはじめとする東南アジア各国の工場で行われています。これらの地域での需要に応えるため、現地生産体制が構築されています。

初代 XP40型（2002年 - 2013年）

初代ヴィオスは、中国および東南アジア市場向けの戦略車種として開発されました。L50型ターセルセダンをベースに再開発され、1996年から2002年まで東南アジアで販売されていたソルーナ（Soluna）の後継モデルとして位置づけられています。2002年 10月に中国で販売が開始され、翌11月にはタイでもソルーナ・ヴィオスの名称で発売されました。その後、台湾や他の東南アジア各国でも順次販売が開始されました。

初代ヴィッツをベースとしており、前身のソルーナとは異なり、当時のトヨタの最新技術が反映されています。一方で、価格はソルーナ並みに抑えられました。外寸は全長4,285mm×全幅1,690mm×全高1,450mm、ホイールベース2,500mm。ヴィッツ派生セダンであるプラッツとは異なり、全高を低く、ホイールベースを長くすることで、自然なスタイルを実現しています。エンジンは台湾・東南アジア仕様が1NZ-FE型直列4気筒1.5L、フィリピンのみ2NZ-FE型直列4気筒1.3Lも設定されました。また、タイではTRDによるターボ付きモデルも用意されていました。

2005年暮れにはフェイスリフトが行われ、台湾向けモデルは2013年まで継続生産されました。

2代目 XP90型（2007年 - 2013年）

2007年 3月からタイで発売が開始され、その後シンガポールやインドネシアなど東南アジア諸国に順次新型が投入されました。2008年 2月29日には中国でも新型に切り替えられました。

初代とは異なり、2代目はベルタ（2代目ヤリスセダン）のアジア仕様車であり、外観や内装なども基本的に同じです。ただし、インドネシア仕様車のみフロントグリルのデザインが異なっています。エンジンは東南アジア仕様が1NZ-FE型直列4気筒1.5Lのみ、中国仕様には2NZ-FE型直列4気筒1.3Lと1ZR-FE型直列4気筒1.6Lの2種類が設定されました。

2010年 3月8日にタイでマイナーチェンジが行われ、グリルやテールランプの意匠が日本のベルタとは異なるものに改められました。このフェイスリフトモデルは翌4月には他の東南アジア諸国にも順次投入されました。2012年にベルタ及び北米・南米向けヤリスセダンが生産終了した後も2013年まで継続生産されました。

3代目 NCP150/150H型（セダン：2013年 - 、ハッチバック：2017年 - ）

2013年 3月にタイ・バンコク国際モーターショーで先行発売された後、シンガポール、ブルネイ、マレーシア、フィリピン、インドネシアと順次導入されました。同年11月には中国で3代目VIOS（中国名：威馳）が一汽トヨタから発表され、2014年には台湾で2代目ヴィオス、中近東諸国ではヤリスセダンとしての販売がそれぞれ開始されました。

2016年6月に中国でマイナーチェンジが実施され、2017年1月にはタイでもマイナーチェンジモデルが発表されました。2017年 3月にはヤリスL兄弟車となる5ドアハッチバックのヴィオスFS、およびヴィオス兄弟車となる4ドアセダンのヤリスLセダンが発売され、ヴィオスを販売する一汽トヨタとヤリスLを販売する広汽トヨタにおいて、ハッチバックとセダンの両タイプを展開する形となりました。

2018年にインドネシア、シンガポール、台湾などで順次マイナーチェンジ。4ドアセダンが兄弟車として併売されるタイ・中国を除き、2018年以降にマイナーチェンジが実施された地域では、ヴィオス・ヤリスどちらの車名で販売されるかにかかわらず、すべてヤリスATIVに準じた外観に変更されています。

4代目 AC100型（2022年 - ）

第4世代は、2022年8月9日にタイにおいてヤリスATIVとして発売されました。ダイハツ工業とのOEM供給契約・共同開発契約に基づき、ダイハツが開発から必要な各種認証試験合格までを実施し、トヨタとして当局に車両型式の認可を申請し、必要な認可を受けた後、トヨタブランドで販売する形式をとっています。プラットフォームはダイハツのDNGA-Bが採用されました。2022年10月12日にはヴィオスとしてインドネシアで発売されました。

2023年4月28日、ダイハツが開発したヤリスATIVを含む海外向けの4車種で側面衝突試験の認証申請の際に不正な加工が施されていたことが明らかになりましたが、第三者機関での再試験で安全性が確認されたとして出荷が再開されています。

製造

天津一汽トヨタ自動車有限公司天津西青工場
トヨタ・モーター・タイランド・ゲートウェイ工場

トヨタ・ヴィオス