トリエステ (強襲揚陸艦)

トリエステ（Trieste）

トリエステは、イタリア海軍によって建造されている強襲揚陸艦で、登場が期待されています。この艦は、すでに就役しているヘリコプター揚陸艦「ジュゼッペ・ガリバルディ」の後継艦として開発されており、2023年に正式に運用を開始する予定です。「トリエステ」は、第二次世界大戦後にイタリア海軍が建造した軍艦の中では最大級のものとなります。また、その母港はターラントに定められています。

来歴

イタリア海軍は、1987年からサン・ジョルジョ級の強襲揚陸艦を導入し、以降の海軍力を強化してきました。2009年には航空母艦「カヴール」が就役し、これにより「ジュゼッペ・ガリバルディ」の運用形態に変更が生じました。もともと2020年までにサン・ジョルジョ級および「ジュゼッペ・ガリバルディ」が運用を終了する予定でしたが、その後の任務の多様化から新たな強襲揚陸艦の建造が必要と判断されました。これにより、当初の計画は変更され、より大型の艦となることが求められるようになりました。

本艦は全長240メートル、最大幅36メートルを誇り、排水量も基準で25,816トン、満載時には32,306トンに達します。これにより、中国の075型強襲揚陸艦と同様、世界的に見ても有数の大きさの艦艇となります。艦橋構造物には航海用と航空管制用の2つの部分があり、これはイギリス海軍のクイーン・エリザベス級航空母艦の設計から影響を受けたものとも考えられています。

設計に関しては、推進方式が主な注目点です。トリエステはCODOG方式を採用しているとされており、低速時には電気推進を併用するCODLOG方式の資料も見られます。艦内には、MAN社製のディーゼルエンジンが設置されており、24ノットの速度が出せることが特徴です。

能力

「トリエステ」の持つ航空運用機能は非常に先進的です。全通飛行甲板を完備し、F-35B艦上戦闘機の発着艦を考慮した設計がなされています。また、他国との共同作戦に備え、大型ヘリコプターやMV-22などの運用にも対応可能です。搭載機数はヘリコプターを中心に12機から15機程度、空母としての運用時には20機以上を想定しています。

さらに、上陸作戦を支援するために、ウェルドックを備えており、LCM（機動揚陸艇）やLCVP（車両人員揚陸艇）を収容できる能力も持っています。艦内には604名から750名の上陸部隊を収容できるスペースや、自走できる車両のための駐車レーンも設計されています。

防御機能も充実しており、76mm速射砲や25mm機関砲、アスター艦対空ミサイルの垂直発射システム（VLS）を備えています。これにより、艦は様々な脅威に対処可能です。

艦歴

トリエステの建造は、ナポリ近辺にあるフィンカンティエリの造船所で行われています。初めての鋼材の切り出しは2017年7月12日であり、進水式は2019年5月25日にはイタリア大統領臨席のもと行われました。艤装作業には多くの技術者が関与し、2022年の早期引き渡しを予定しております。もちろん、この艦は戦略的にも重要な役割を持っており、その動向に注目が集まります。今日、トリエステはイタリア海軍の未来を築く重要な一隻となることでしょう。

参考文献

• - 大塚, 好古「世界の強襲揚陸艦 ラインナップ (特集 強襲揚陸艦)」『世界の艦船』第937号、海人社、2020年12月。
• - Saunders, Stephen (2015). Jane's Fighting Ships 2015-2016. Janes Information Group.
• - Giansiracusa, Aurelio (2019年5月). “Fincantieri, ecco novità e frottole su Nave Trieste”.

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