トーマス・エイカーズ

トーマス・エイカーズ：NASA宇宙飛行士、数学者、教育者

トーマス・エイカーズ（Thomas Akers、1951年5月20日生まれ）は、アメリカ航空宇宙局（NASA）の宇宙飛行士として活躍しました。4度のスペースシャトルミッションを経験し、宇宙空間で800時間以上を過ごしました。引退後は、数学教育者として後進の育成に尽力しました。

生い立ちと教育

エイカーズはミズーリ州エミネンスで育ちました。高校では総代を務め、夏期には自然保護官として働きました。ミズーリ大学ローラ校（現ミズーリ工科大学）に進学し、1973年に応用数学の学士号、1975年に修士号を取得しました。卒業後、一時的にエミネンスに戻り高校の校長を務めました。

NASAでのキャリア

1979年、アメリカ空軍の募集パンフレットを目にしたことがきっかけで、エイカーズは宇宙飛行士を目指すことを決意しました。1987年にNASAの宇宙飛行士に選ばれ、1988年に正式に宇宙飛行士となりました。NASAでの訓練の一環として、トロイ大学で科学を教えた経験もあります。

エイカーズは、以下の4つのスペースシャトルミッションに参加しました。

STS-41 (1990年): スペースシャトル・ディスカバリーの11回目の飛行。欧州宇宙機関の太陽探査機ユリシーズなどのペイロード展開に貢献しました。
STS-49 (1992年): スペースシャトル・エンデバーの処女飛行。故障したインテルサットIV F-3の回収・修理を成功させました。このミッションでは、人類史上初の3人による宇宙遊泳が行われ、当時の最長記録となる8時間29分を記録しました。
STS-61 (1993年): エンデバーの5度目のミッション。ハッブル宇宙望遠鏡の修理・改修を行い、2度の宇宙遊泳で計13.5時間を船外で過ごしました。
STS-79 (1996年): スペースシャトル・アトランティスの17回目のミッション。ロシアの宇宙ステーションミールとの4回目のランデブー飛行で、ミールとの乗組員交換を初めて行いました。

NASA退職後

1997年にNASAを引退し、1999年にアメリカ空軍を大佐として退役しました。その後、ミズーリ大学ローラ校で数学講師として教鞭を執り、2010年まで後進の育成に貢献しました。

受賞歴

エイカーズは、その功績により数々の賞を受賞しています。

ディフェンス・スーピアリアサービスメダル
レジオン・オブ・メリット
ディフェンス・メリットリアスサービスメダル
メリットリアスサービスメダル
コメンデーションメダル
アチーブメントメダル
NASA Distinguished Service Medal
NASA Exceptional Service Medal (2回)
NASA Space Flight Medal (4回)
ミズーリ大学ローラ校名誉博士 (工学、1992年)
Ten Outstanding Teacher awards (UMR/S&Tから、2000-2010年)
ミズーリ州知事教育賞 (2004年)

トーマス・エイカーズは、宇宙探査と教育の両分野で多大な貢献をした人物として、人々に記憶されています。

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