ナストロ・ダルジェント作曲賞

ナストロ・ダルジェント作曲賞：イタリア映画音楽の栄光

ナストロ・ダルジェント賞は、イタリア映画界における権威ある映画賞です。その中でも、ナストロ・ダルジェント作曲賞は、イタリア映画、そしてイタリア人作曲家の優れた才能を称える重要な賞として知られています。受賞対象はイタリア人作曲家による作品に限られず、イタリア人作曲家が音楽を担当したアメリカ映画などの外国作品も対象となります。

エンニオ・モリコーネの圧倒的記録

2023年現在、この賞の最多受賞者は、映画音楽界の巨匠エンニオ・モリコーネです。なんと9回もの受賞という輝かしい記録は、彼の類まれな才能と、イタリア映画音楽史における貢献の大きさを如実に示しています。

受賞者一覧：時代を彩る名作曲家たち

以下は、ナストロ・ダルジェント作曲賞の受賞者一覧です。各受賞年には、受賞者名、受賞作品、監督名が示されています。これら受賞作品は、イタリア映画史において重要な位置を占める作品が多く、イタリア映画音楽の歴史を辿る上で貴重な資料となります。

1940年代

1947年：レンツォ・ロッセリーニ - 『戦火のかなた』（監督：ロベルト・ロッセリーニ）
1948年：レンツォ・ロッセリーニ - 『カラマーゾフの兄弟』（監督：ジャコモ・ジェンティローモ）
1949年：アレッサンドロ・チコニーニ - 『自転車泥棒』（監督：ヴィットリオ・デ・シーカ）

1950年代

1950年：ロマン・ヴラド（全作品に対して）
1951年：ジョヴァンニ・フスコ - 『愛と殺意』（監督：ミケランジェロ・アントニオーニ）
1952年：マリオ・ナシンベーネ - 『ローマ11時』（監督：ジュゼッペ・デ・サンティス）
1953年：ヴァレンティーノ・ブッキ - 『生きるための熱』（監督：クラウディオ・ゴーラ）
1954年：マリオ・ザフレード - 『貧しい恋人たちの年代記』（監督：カルロ・リッツァーニ）
1955年：アンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノ - 『失われた大陸』（監督：レオナルド・ポンツィ）
1956年：アンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノ - 『白いめまい』（監督：ジョルジョ・フェローニ）
1957年：ニーノ・ロータ - 『戦争と平和』（監督：キング・ヴィダー）
1958年：ニーノ・ロータ - 『白夜』（監督：ルキノ・ヴィスコンティ）
1959年：カルロ・ルスティケッリ - 『わらの男』（監督：ピエトロ・ジェルミ）

1960年代

1960年：マリオ・ナシンベーネ - 『激しい季節』（監督：ヴァレリオ・ズルリーニ）
1961年：ジョヴァンニ・フスコ - 『情事』（監督：ミケランジェロ・アントニオーニ）
1962年：ジョルジョ・ガスリーニ - 『夜』（監督：ミケランジェロ・アントニオーニ）
1963年：ピエロ・ピッチオーニ - 『シシリーの黒い霧』（監督：フランチェスコ・ロージ）
1964年：ニーノ・ロータ - 『8 1/2|8 1_2』（監督：フェデリコ・フェリーニ）
1965年：エンニオ・モリコーネ - 『荒野の用心棒』（監督：セルジオ・レオーネ）
1966年：アルマンド・トロヴァヨーリ - 『黄金の七人』（監督：マルコ・ヴィカリオ）
1967年：カルロ・ルスティケッリ - 『ブランカレオネ大隊』（監督：マリオ・モニチェリ）
1968年：マリオ・ナシンベーネ - 『ある女性のために…』（監督：マッシモ・フランチオーザ）
1969年：ニーノ・ロータ - 『ロミオとジュリエット』（監督：フランコ・ゼフィレッリ）

1970年代

1970年：エンニオ・モリコーネ - 『ある夕食のテーブル』（監督：ジュゼッペ・パトローニ・グリッフィ）
1971年：ステルヴィオ・チプリアーニ - 『ベニスの愛』（監督：エンリコ・マリア・サレルノ）
1972年：エンニオ・モリコーネ - 『死刑台のメロディ』（監督：ジュリアーノ・モンタルド）
1973年：グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス - 『…頑張れ若者たち！』（監督：ジュゼッペ・コリッツィ）
1974年：トニー・レニス - 『明日なき夕陽』（監督：ルイジ・バッツォーニ）
1975年：ジャンカルロ・キャラメッロ - 『狂えるオルランド』（テレビ映画、監督：ルカ・ロンコーニ）
1976年：アドリアーノ・チェレンターノ - 『ユッピー・ドゥ』（監督：アドリアーノ・チェレンターノ、他）
1977年：フレッド・ボングスト - 『オー・セラフィーナ』（監督：アルベルト・ラットゥアーダ）
1978年：アルマンド・トロヴァヨーリ - 『特別な一日』（監督：エットーレ・スコラ）
1979年：ニーノ・ロータ - 『オーケストラ・リハーサル』（監督：フェデリコ・フェリーニ）

1980年代

1980年：フレッド・ボングスト - 『スキャンドール / 禁じられた体験』（監督：アルベルト・ラットゥアーダ）
1981年：リズ・オルトラーニ - 『助けて、夢を見させて』（監督：プピ・アヴァティ）
1982年：ルーチョ・ダッラ、ファビオ・リベラトーリ - 『ボロタルコ』（監督：カルロ・ヴェルドーネ）
1983年：アンジェロ・ブランドゥアルディ - 『いい子にしていなさい…できるなら』（監督：ルイジ・マーニ）
1984年：リズ・オルトラーニ - 『追憶の旅』（監督：プピ・アヴァティ）
1985年：エンニオ・モリコーネ - 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』（監督：セルジオ・レオーネ）
1986年：トニー・エスポジト - 『複雑な女性、路地、犯罪の陰謀』（監督：リナ・ウェルトミューラー）
1987年：アルマンド・トロヴァヨーリ - 『ラ・ファミリア』（監督：エットーレ・スコラ）、リズ・オルトラーニ - 『インクアイリー / 審問』（監督：ダミアーノ・ダミアーニ）、ジョヴァンニ・ヌーティ - 『魅せられた』（監督：フランチェスコ・ヌーティ）
1988年：エンニオ・モリコーネ - 『アンタッチャブル』（監督：ブライアン・デ・パルマ）
* 1989年：エウジェニオ・ベンナート、カルロ・ダンジ - 『馬は生まれつき馬だ』（監督：セルジオ・スタイノ）


1990年代以降

1990年代以降の受賞者も多数存在し、イタリア映画音楽界の多様性と、新しい才能の台頭を物語っています。スペースの都合上、ここでは省略しますが、それぞれの時代の代表的な作曲家と作品が受賞していることがわかります。

結論

ナストロ・ダルジェント作曲賞は、イタリア映画音楽の豊かな歴史と、その発展に貢献した多くの作曲家を顕彰する重要な賞です。受賞者一覧は、イタリア映画史における音楽の役割と、作曲家の創造性を理解する上で貴重な資料となります。 これからも、数々の才能ある作曲家たちがこの賞を受賞し、イタリア映画音楽のさらなる発展に貢献していくことでしょう。

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