ナミブ砂漠

ナミブ砂漠の概要

ナミブ砂漠（Namib Desert）は、アフリカのナミビアに位置し、広大な面積を誇る砂漠です。この砂漠は大西洋の沿岸に広がり、北はアンゴラとの国境近く、南は南アフリカ共和国の最北端まで及びます。ナミブ砂漠は南北に1,288 km、東西に48 kmから161 kmの幅を持ち、面積は約50,000 km²に及び、世界で最も古い砂漠の一つとされています。

「ナミブ」という名称は、地域の主要民族であるサン人の言葉で「何もない」という意味です。その名の通り、厳しい環境が広がっています。

地理

ナミブ砂漠は、西岸砂漠の典型例であり、大西洋を北上する寒流、ベンゲラ海流の影響を受けて形成されました。ドラケンスバーグ山脈からの砂は、オレンジ川を経て海岸に達し、強風によって内陸へと移動されてきました。その過程で砂は酸化鉄により白から赤に変色し、独特な風合いを持っています。

中央部にはクイセブ川が流れ、北部は岩石砂漠、南部は移動性の砂丘が続き、その間には岩石丘陵が点在します。ナミブ砂漠の年間降水量は120 mm以下で、特に一部の地域では25 mmにも満たないことがあり、乾燥した環境が特徴的です。とはいえ、海洋から流れ込む海霧が、数日おきに内陸部に水分を供給しています。この霧を利用して水分を集めるトカゲや昆虫が生息し、砂漠植生の生存に寄与しています。

また、沿岸部には暴風が吹き荒れ、難破船や鯨が打ち上げられるスケルトンコースト（骸骨海岸）と呼ばれる名所も存在しています。

産業と研究

ナミブ砂漠には1904年に最初に発見されたダイヤモンド鉱脈があり、1963年には2,300万ポンドもの生産を記録しました。また、タングステンや塩などの資源も産出されています。

この地域の中央にはゴバベップ研究所があり、世界中の研究者たちが集まり、ナミブ砂漠に関する多様な研究が行われています。

北部にはブランドバーグ山という大きなオアシスがあり、その景観は注目を集めています。

動植物

ナミブ砂漠には、特異な生態系が形成されており、さまざまな植物や動物が生息しています。特にウェルウィッチア（サバクオモト）はこの砂漠特有の植物で、長寿性の特徴を持ちます。また、ナラメロンやバターナッツなどのウリ科の植物も見られ、これらは砂漠の生物たちに食料や日陰を提供しています。

動物たちも多様で、砂丘の変形によって地下で活動する無脊椎動物、爬虫類、哺乳類などが生息しています。特にミナミアフリカオットセイやツチブタ、サバクキンモグラなどが見られます。さらに、4500万年前の化石として知られる昆虫・マントファスマが現存していることも近年発見され、ナミブ砂漠の生物多様性を示しています。

世界遺産

ナミブ砂漠の一部を含むナミブ＝ナウクルフト国立公園は、2013年にUNESCOの世界遺産リストに登録され、ナミビアでは初の自然遺産として認められました。この公園は、地球の歴史を示す顕著な見本や重要な生態系が保護されている地域であり、観光や研究の面でも注目されています。

ナミブ砂漠の自然の美しさと文化的な価値をぜひ体験してください。

もう一度検索