ニュースハイライト

ニュースハイライト (TBSラジオ)

「ニュースハイライト」は、TBSラジオ（放送当時は東京放送）が制作し、JRN（ジャパン・ラジオ・ネットワーク）に加盟する全国のラジオ局へ配信された夕方のニュース番組です。1958年の開始から1993年の終了まで、放送時間や内容の変遷、一度の中断を挟みつつも、約35年間にわたり日本のラジオニュースの一角を担いました。なお、「ニュースハイライト」という名称は、過去にNHKで年末のニュース特別番組に使用された例もありますが、本項目で解説するのは主にTBSラジオ系の番組についてです。

概要

この番組は1958年6月2日に産声を上げました。それまで夜の19時台に放送されていた関東ローカル向けの通常ニュースと「録音ニュース」を発展させる形でスタートしました。当初の放送時間は夕方の18時台後半でしたが、その後数度の変更を経て、1967年からは18:00開始、1975年からは18:00からの15分間、そして最末期には17:45からの15分間などと、夕方の時間帯を移動しながら放送されました。

初期の構成は、その日のまとめのニュース、天気予報、「今日のハイライト」、東京都庁だよりなどで成り立っていました。

歴史と変遷

JRNが正式に発足した1965年5月1日をもって、番組は一旦終了します（これを第1期と呼びます）。しかし、わずか2日後の同年5月3日からは、『ラジオ・ニュースネットワーク』と題して実質的な後継番組が始まり、1966年4月9日まで続きました。さらに1966年度には『東京イブニング』というタイトルで放送されました。

1967年度に入り、番組名は再び『ニュースハイライト』に戻されます（第2期）。この時期から、放送開始時刻が18:00に繰り上げられ、番組の前半15分間をJRN加盟各局に向けた全国ニュース、後半10分間を関東ローカルのニュースや天気、プロ野球情報（シーズン中）、スポーツニュース（シーズンオフ）に充てるという体制が取られました。

1975年度からは、全国ネットワークニュース部分のみの15分番組という形態に集約されました。また、この頃には大阪地区でのテレビネットチェンジの影響を受け、同年3月まではABC朝日放送でネットされていましたが、同年4月以降はMBS毎日放送にネット局が変更されました。

番組の最後期、1990年4月から1993年3月にかけては、『イブニングネットワーク』というコンプレックス（複合型）番組枠の一部として放送されました。ただし、この『イブニングネットワーク』という枠名は、企画ネット形式をとっていたMBSでアナウンスされるのみで、TBSからのネット局では特に言及されませんでした（同時期にNHK総合テレビで放送されていた同名のニュース番組とも関連はありません）。この枠内では、番組後半に野球シーズン中は「プロ野球ホットスタジアム」、シーズンオフは「話題のサイドボード」「ラジオジャーナル」といった別企画が編成されたため、『ニュースハイライト』としての実質的な放送時間は7分程度に短縮されました。この時期にはMBSが編成上の都合から、全国ニュースの配信は受けるものの、番組内容はMBS独自の企画ネット形式に変更しています。

番組内容と特徴

番組では、毎回TBSの報道アナウンサーがパーソナリティを務め、その日の主要なニュースを伝えました。特筆すべきは、JNNやJRNに加盟する全国の放送局が取材・制作したニュース音源や、現場からの記者・アナウンサーリポートを積極的に活用した点です。これにより、リスナーは全国各地の出来事を音声情報を通じてリアルに感じることができました。また、土曜日には地域の話題を2編程度紹介する「土曜ロータリー」というコーナーが設けられていました。番組は、これらの取材音源やリポートの中から特に優れたものを毎年選び、「JRNニュースハイライト賞」を贈呈することで、系列局の取材活動を奨励しました。

番組の冒頭ではテーマソングが流れ、パーソナリティのアナウンサーが「○月○日。ニュースハイライト。…この時間は（スポンサー名）がお送りします」というコールで開始。エンディングではテーマ曲なしに、「ニュースハイライト。この時間は（スポンサー名）が全国32局を結んでお伝えしました」と締めくくるのが通例でした。時に「それではまた明日!!」という言葉を添えるアナウンサーもいました。

主なパーソナリティ

TBSの報道アナウンサーが多数担当しました。主な担当者（五十音順）は以下の通りです。

青木靖雄
今村稔
五味陸仁
近藤美矩
佐藤紀子
下村健一
土屋統督
中村尚登

このうち、今村稔氏は番組の終了まで担当し、後継番組である『ネットワークトゥデイ』でもメインキャスターとして引き続き出演しました。

ネット局

番組はTBSラジオをキーステーションとして、JRNに加盟する全国の多数のラジオ局で放送されました。長い歴史の中で、 JRNへの新規加盟や系列局の変更に伴い、ネット開始・変更が見られました。例えば、北日本放送（富山県）は1980年12月に、和歌山放送は1979年10月に、山口放送は1983年4月1日にネットを開始しています。

地域によっては、JRN加盟局が少ない状況から、一つの局が隣接県の取材も担当する例がありました。富山県と石川県については、北陸放送（石川県）が長年両県の取材を担当していましたが、1980年12月に北日本放送がJRNに加盟したことで、富山県の取材は北日本放送の担当となりました。山口県も、山口放送が1982年9月までNRN単独加盟だったためネットできず、中国放送（広島県）が取材を担当していましたが、同年10月に山口放送がJRNに加盟したことで、山口県の取材は山口放送の担当に移りました。岡山県と香川県についても、長年山陽放送（岡山県）が両県を担当していましたが、後継番組『ネットワークトゥデイ』開始後の1997年10月に、山陽放送と西日本放送（香川県）がそれぞれJRNにクロスネット加盟したことから、西日本放送でも後継番組の放送が可能となりました。

番組の終焉

「ニュースハイライト」は、1993年3月をもって放送を終了しました。約35年にわたる歴史に幕を閉じ、同年4月からは新たに『ネットワークトゥデイ』がスタート。番組が担っていたJRN全国向け夕方ニュースとしての役割は、この後継番組へと引き継がれました。

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