ネウストラシムイ級フリゲート

ネウストラシムイ級フリゲートの概要

ネウストラシムイ級フリゲート、または11540型艦は、ロシア海軍に属する警備艦であり、対潜任務を中心に設計されています。この艦は、相も変わらず対潜戦闘能力を強化しつつ、他の任務にも対応可能な多機能艦としての特徴を持っています。

計画と背景

この艦は「ヤストレブ」計画の一環として1970年代初頭から建造が始まり、旧ソ連海軍の1135型警備艦（クリヴァク級フリゲート）の後継艦として位置づけています。設計においては、先行する1155型大型対潜艦（ウダロイ級駆逐艦）の縮小モデルとなっていますが、設計に際しての特徴や要素は先代艦に対する回帰の形を取っています。しかし、ソ連崩壊の影響を受け、当初の大量生産計画は進まず、就役したのは1993年の第一艦のみでした。その後、2009年に二番艦が加わりましたが、建造途中の艦は中断を余儀なくされました。

設計と装備

船体と動力

ネウストラシムイ級艦は長船首楼型を採用しており、可変深度ソナーや海上ヘリコプターの整備甲板が特徴的です。機関にはCOGAG方式を用い、巡航時には2基のM70ガスタービンで20,000馬力を発揮し、ブースト時には2基のM90ガスタービンでさらに37,000馬力を出せる能力があります。

対潜戦闘能力

この艦は強力な対潜能力が強調されており、533mm魚雷やRBU-6000など多彩な兵器を備えています。特に注目すべきは、長射程のRPK-6 ヴォドパート対潜ミサイルを使用している点です。このミサイルは、その射程と短魚雷による発射が特徴で、対潜戦闘の多重防御を実現しています。また、1機のKa-27対潜哨戒ヘリコプターも搭載可能です。

対水上戦闘能力

他の艦に比べて弱点と指摘されるのは、専用の対水上攻撃兵器が備わっていない点です。しかし、RPK-6が水上目標に対する攻撃力も併せ持ち、二番艦にはKh-35ウラン対艦ミサイルの搭載も予想されています。

対空防護

本艦は、高度な対空防護システムも装備しており、個艦防空ミサイルや100mm砲、30mm機関砲といった短射程兵器から成る4重防空網を構築しています。特に新たに開発されたCIWSも搭載されており、戦術情報処理装置を用いた戦闘能力の向上も図られています。

配備状況

計画時は79隻の建造が検討されたものの、急遽変更され、最終的には3隻の起工に留まりました。近年、ロシア海軍は経済の好転とともに二番艦の建造を再開し、実用性を高める方向で進めています。また、輸出を目指した派生型も計画されていますが、実現性には限りがある状況です。

まとめ

ネウストラシムイ級フリゲートは、その対潜能力だけでなく、幅広い任務に対応する設計によって隙間を埋める艦艇です。今後の建造計画と運用実績が注目される艦でもあります。

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