ネスレ・ミロ

ネスレ ミロ：世界中で愛される麦芽飲料

ネスレ ミロ（Nestlé Milo）は、ネスレ社が製造・販売するココア味の粉末麦芽飲料です。日本では1973年からネスレ日本によって販売されており、その栄養価の高さと独特の風味から、長年にわたり多くの人に親しまれています。

製品概要

ミロは、大麦麦芽を主成分とし、ココア、脱脂粉乳、各種ミネラル、ビタミンを加えて作られています。これらの成分がバランスよく配合されており、機能性飲料としての側面も持ち合わせています。通常は、粉末状の製品を冷たい牛乳または温かい牛乳に溶かして飲用します。その手軽さから、朝食や休憩時間など、様々なシーンで楽しまれています。

歴史

ミロは1934年、オーストラリアのトーマス・マインによって開発されました。その名前は、古代ギリシアの有名なアスリート、ミロンに由来します。日本での「ミロ」という名称はドイツ語の発音に基づいている一方、英語圏では「マイロゥ」と発音されます。

当初は子供向けの飲料として宣伝されていましたが、現在では中南米やアジア地域で、大人にも広く愛飲されています。特に、香港では茶餐廳やファストフード店で定番メニューとなっており、「美祿」（メイロッ）という広東語名で親しまれています。ミロは世界中で製造されており、その販売地域はシンガポール、マレーシア、中国、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、ニュージーランド、香港、日本、ジャマイカ、ガイアナ、トリニダード・トバゴ、チリ、コロンビア、ペルー、ナイジェリア、ケニア、ガーナ、パプアニューギニア、南アフリカ、スリランカ、シリア、台湾、イギリスなど多岐にわたります。

栄養素

ミロ粉末15グラムを150ccの牛乳に溶かして飲んだ場合、1杯あたり164キロカロリー (690 kJ) となります。グリセミック指数が低いのも特徴で、牛乳で割った場合は33、低脂肪乳の場合は36です。これにより、エネルギーがゆっくりと使われるため、腹持ちが良いとされています。また、日本のミロの広告では、ビタミンA、D、B1、B2、ナイアシン、カルシウム、鉄分の「7つの栄養素」が含まれているとアピールされています。

主な商品

ミロの主な商品ラインナップは以下の通りです。

ネスレ ミロ オリジナル：定番の粉末タイプで、栄養機能食品として販売されています。
ネスレ ミロ オリジナル スティック：便利な個包装タイプ。
ネスレ ミロ オトナの甘さ：甘さを控えめにしたタイプで、砂糖の一部を食物繊維に置き換えています。

その他にも、カルシウム入りの特定保健用食品「ネスレ ミロ 180g」（瓶入り）、夏季限定のポーションタイプ「ネスレ ミロ アイスクール」などがあります。また、日本では赤城乳業との提携で、地域限定のアイスバーも販売されています。海外では、チョコレートバーや朝食用のシリアル、缶ジュースタイプなど、様々な商品が展開されています。

歴史的な背景

ミロは、1930年代の世界恐慌時に、栄養不足に悩むオーストラリアの子供たちのために開発されました。ネスレ・オーストラリアのトーマス・マインが考案し、1934年のシドニー・ロイヤルイースターショーで発表されました。1936年には、ベルリンオリンピックの公式スポンサーにもなっています。

1948年の広告映画では、ミロが「強壮食品」として、ビタミンA、B、D、カルシウム、マグネシウム、鉄分、有機リン酸化合物が豊富であると宣伝されました。日本では1973年にガラス瓶入りで販売が開始され、2002年にはフラクトオリゴ糖を強化したタイプが保健機能食品として認可されました。2008年には、オーストラリアでビタミンBとヨウ素を追加した「ミロBスマート」という新製品も登場しました。

ミロのイメージカラーは緑色で、パッケージや広告には緑色が基調として使われています。イメージキャラクターとして、アスリートのイラストが使われることが多いです。

2020年には、需要が急増したため、ネスレ日本が一部商品の販売を一時休止しましたが、2021年に供給体制が整い、販売が再開されました。

各国での状況

日本では、ミロを牛乳や湯に溶かして飲むのが一般的ですが、ミロのココア風味を活かした料理や菓子レシピも公開されています。一方、ガーナ、マレーシア、フィリピン、シンガポール、インドネシアでは、湯や冷水で溶いて飲む方法が推奨されており、ミルクや砂糖は好みで加えることが推奨されています。

特にマレーシアでは、ミロは国民的な飲料として親しまれており、チョコレート飲料市場の9割を占めています。マレーシアはミロの消費量も世界一とされ、ネスレの売上の2割をミロが占めています。また、マレーシアからシンガポール、タイ、インドネシア、フィリピン、米国にも輸出されています。ミロはマレーシアでハラールの認証を受けています。

関連情報

麦粉 (菓子): ミロと同様に麦を原料とした食品。
オバルチン: ミロに似た別会社の飲料。
ホーリック: 麦芽飲料の一種。
チャレンジして! ミロマン: ミロを題材としたコンテンツ。
マイロ・ダイナソー: ミロを使った飲み物のバリエーション。

外部リンク

ネスレ・ミロ公式
ミロ（MILO） (@MILO_Japan) - X（旧Twitter）
* 実はいちばんすごい？！他ののみものとくらべてみよう | 麦芽飲料「ネスレ ミロ」

ミロは、その長い歴史の中で、世界中の人々に愛されてきた麦芽飲料です。これからも、その栄養価と風味で、多くの人々の健康と生活に貢献していくでしょう。

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