バージニア級原子力ミサイル巡洋艦

バージニア級原子力ミサイル巡洋艦

バージニア級原子力ミサイル巡洋艦（CGN）は、アメリカ海軍が1970年代に建造した原子力動力の巡洋艦です。ターター-D・システムを搭載し、高度に統合された艦艇として知られています。この艦級は、1970年から1975年度にかけて4隻が建造され、1975年度の艦は建造単価3億3,700万ドルでした。1975年以降、艦船の分類が改訂され、原子力ミサイル巡洋艦（CGN）として再分類されました。

来歴

1960年代、アメリカ海軍は核動力艦の設計に取り組んでいました。1957年度の「ロングビーチ」、1959年度の「ベインブリッジ」など、原子力ミサイル巡洋艦の建造が進められました。カリフォルニア級と原子力ミサイル・フリゲート（DLGN）の整備が同時に進行し、新型DLGNの設計が始まったのは1967年度のことです。その後、議会の支持を受けて、核動力艦の整備が進められ、1970年には23隻の建造計画が立てられましたが、高騰する建造費を受け、最終的には僅か4隻の建造となりました。

設計と装備

バージニア級の設計は、DXGNおよびDXGのプロジェクトを踏襲しており、当初はDXGの核動力版とされていましたが、後期建造艦ではASMS（後のイージスシステム）への対応が必要とされたため、船体規模は拡大し、カリフォルニア級に迫るものになりました。艦上の機関は、ベインブリッジと同様にゼネラル・エレクトリック社製の加圧水型[[原子炉]]を2基搭載し、炉心交換の間隔は約10年とされています。

本級は、ターター・システムを基にした高度なデジタル武器管制システムを搭載しており、これにより海軍戦術情報システム（NTDS）と統合されました。最新の電子機器としては、AN/UYK-7などが採用され、スプルーアンス級駆逐艦の設計にも影響を与えました。レーダーシステムについても、対空捜索や対水上捜索のための最先端のレーダーが装備されています。

武器システム

バージニア級艦の武器システムは、当初の計画から変更され、より高度な武器管制システムが搭載されました。艦対空ミサイルとしては、SM-1MRが使用されましたが、後の改修によってSM-2MRにも対応可能となりました。また、艦の砲熕兵器として54口径127mm単装砲を装備し、近接防空にはファランクスCIWSが導入されました。対潜ミサイルとしてはアスロックを搭載し、324mm3連装短魚雷発射管も装備しました。

登場作品

「沈黙の艦隊」などのフィクション作品にも取り上げられ、原子力潜水艦との対立などが描かれています。本艦は特異な存在感を持ち、アメリカ海軍の原子力艦の歴史の中で重要な役割を果たしました。ニューポート・ニューズ造船所で建造されたこの艦級は、今も多くの海軍ファンに愛されています。

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