パラリンピックの車いすマラソン

夏季パラリンピックの陸上競技において、車いすマラソンは長い歴史を持つ正式種目の一つです。

この種目が初めてパラリンピックのプログラムに採用されたのは、1984年のニューヨーク・ストークマンデビルパラリンピック（ロサンゼルスオリンピックと併催）でした。この記念すべき大会に、日本人選手も参加しています。男子レースでは、クラス2で松尾元春選手が12位、クラス3では小川則之選手が10位という成績を残しました。また、クラス4に出場した中村正則選手は残念ながら棄権という結果でしたが、クラス5の山本行文選手は7位に入賞し、日本の存在感を示しました。

続く1988年のソウルパラリンピックでも、多くの日本人選手が車いすマラソンに挑戦しました。男子レースでは、クラス1cで橋場喜市郎選手が6位に入賞。クラス2では松尾元春選手が21位、富川文男選手が22位となりました。クラス3の林誠二選手は8位に入賞を果たしました。クラス4では、山本行文選手が4位、藤川泰博選手が11位という成績を残しています。さらに、クラス5-6では山口悟志選手が4位、野崎輝男選手が7位、クラス A1-3A9L1-2では鈴木正剛選手が4位、高橋孝広選手が7位と、複数のクラスで入賞者を輩出しました。女子レースでは、クラス4に出場した坂内留美選手が4位、今泉千春選手が5位と、こちらも入賞を果たしました。

1992年のバルセロナパラリンピックでは、日本人選手の参加が見られました。男子クラスTW2に出場した東條克之選手は棄権。男子クラスTW3-4では、山本行文選手が30位、藤川泰博選手が39位、川島誉選手が40位という結果でした。女子クラスTW3-4に出場した畑中和選手も棄権となっています。

1996年のアトランタパラリンピックからは、現在の競技クラス分けに近いシステムが導入されました。この大会に日本人選手も出場しており、男子クラスT52-53では、辰巳晃一選手が22位、田中秀夫選手が23位となりました。

2000年のシドニーパラリンピックでは、男子クラスT52で櫻井徹男選手が7位に入賞しました。男子クラスT54には複数の日本人選手が出場し、室塚一也選手が7位、田中秀夫選手が16位、渡辺幹司選手が27位という成績を残しています。

2004年のアテネパラリンピックでは、日本人選手の活躍が目立ちました。男子クラスT52では、伊藤智也選手が4位とメダルにあと一歩に迫りました。男子クラスT54では、花岡伸和選手が6位、笹原廣喜選手が9位、副島正純選手が10位、廣道純選手が16位となり、多くの選手が入賞圏内の上位につけました。

2008年の北京パラリンピックでも、男子クラスT54で日本人選手の奮闘が続きました。洞ノ上浩太選手が5位、山本浩之選手が6位、廣道純選手が7位と、3選手が入賞。副島正純選手が12位、安岡チョーク選手が13位という結果でした。女子クラスT54に出場した土田和歌子選手は棄権となっています。

2012年のロンドンパラリンピックでは、男子クラスT54に多くの選手が出場しました。副島正純選手が4位、花岡伸和選手が5位、洞ノ上浩太選手が6位と、3選手が連続して入賞を果たしました。その他、樋口政幸選手が13位、安岡チョーク選手が21位、山本浩之選手が22位となりました。女子クラスT54では、土田和歌子選手が5位に入賞しました。

比較的新しい大会である2016年のリオデジャネイロパラリンピックでも、日本人選手は健闘しました。男子クラスT12では、堀越信司選手が4位、和田伸也選手が5位と、こちらもメダルに迫る入賞を果たしました。男子クラスT54では、洞ノ上浩太選手が7位に入賞、副島正純選手が11位、山本浩之選手が12位、久保恒造選手が18位という結果でした。女子レースでは、クラス12の近藤寛子選手が5位に入賞、西島美保子選手は棄権となりました。女子クラス54では、土田和歌子選手が4位と、惜しくもメダルを逃しましたが素晴らしい成績を残しました。

夏季パラリンピックにおける車いすマラソンは、開始以来多くの日本人選手が参加し、世界の強豪と競い合ってきた歴史ある種目です。各大会での選手たちの記録は、その挑戦の軌跡を示しています。

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