パンゲア・ウルティマ大陸

パンゲア・ウルティマ大陸：未来の超大陸

パンゲア・ウルティマ大陸とは、約2億5000万年から4億年後に形成されると予測されている超大陸の名称です。この名前は、過去に存在した超大陸パンゲアにちなんでおり、「最後のパンゲア」または「最終的なパンゲア」という意味を持っています。また、パンゲア・プロクシマ大陸（「次のパンゲア」）と呼ばれることもあります。

超大陸とは

超大陸とは、明確な定義があるわけではありませんが、一般的には複数の陸塊が合体して一つの巨大な大陸になったものを指します。過去20億年の間には、地球上のほぼ全ての大陸が集結した超大陸が4～5回形成されたと考えられており、パンゲア・ウルティマ大陸もその一つです。

形成のシナリオ

パンゲア・ウルティマ大陸の形成に関するシナリオでは、まずアメリカ大陸の東海岸沖の西大西洋に海溝が形成され、沈み込みが始まると予測されています。これにより、大西洋中央海嶺が沈み込み、最終的に大西洋海盆が消滅し、大西洋が閉じることになります。現在、アフリカ大陸とユーラシア大陸から離れつつある北アメリカ大陸と南アメリカ大陸は、再びアフリカ大陸とユーラシア大陸の方へ移動し、合体すると考えられています。

過去のパンゲア大陸では、北アメリカとヨーロッパ、南アメリカとアフリカが隣接していましたが、アフリカ大陸はその後も北上を続け、ヨーロッパを押し上げるように移動しています。そのため、パンゲア・ウルティマ大陸では、北アメリカがアフリカと衝突し、南アメリカはアフリカの南側に回り込み、その先端がインドシナ半島付近に達する配置になると予測されています。オーストラリア大陸と南極大陸については、東アジアに衝突するか、独立した大陸として残るか、予想が分かれています。

気候変動の影響

ブリストル大学の研究グループによる気候モデルのシミュレーションでは、パンゲア・ウルティマ大陸の大部分は、気温が40℃から50℃に達する極めて高温で乾燥した気候になると予想されています。これは、2億5000万年後には現在と比較して日射量が2.5%増加し、二酸化炭素の量も1.5倍に増加すると考えられているためです。さらに、超大陸が赤道付近に形成されることや、火山活動が活発になることも、高温化を促進する要因として挙げられています。この気候変動により、哺乳類が生存可能な領域はわずか8～16%程度に限定される可能性があり、パンゲア・ウルティマ大陸が形成される頃には、哺乳類の時代が終わるかもしれないとも言われています。

他のシナリオ

パンゲア・ウルティマ大陸の形成は、必ずしも確実な未来ではありません。他のシナリオとしては、大西洋が拡大を続け、アメリカ、アジア、オーストラリアが衝突し、太平洋がほぼ完全に消滅して超大陸が形成されるというものがあります。このシナリオで形成される超大陸は、アメイジア大陸またはノヴォパンゲア大陸と呼ばれています。

まとめ

パンゲア・ウルティマ大陸は、地球の未来における大陸配置の予測の一つであり、その形成は地球規模での大変動を伴います。気候変動が哺乳類の生存に大きな影響を与える可能性もあり、今後の研究が待たれる分野です。

参考文献

テッド・ニールド 著、松浦俊輔 訳『超大陸 : 100億年の地球史』青土社、2008年。ISBN 978-4-7917-6442-6。

関連項目

超大陸

外部リンク

パンゲア・ウルティマ大陸の地図（Christopher R. Scotese による） （英語）
アメイジア（ノヴォパンゲア）とパンゲア・プロクシマ （英語）

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