パンパニト (潜水艦)

潜水艦 USS Pampanito（パンパニト）

USS Pampanito（パンパニト、SS/AGSS-383）は、アメリカ海軍に所属していたバラオ級潜水艦の一隻です。この艦は、アジ科コバンアジ属に基づいて名づけられたものであり、現在はサンフランシスコで国定歴史建造物として一般公開されています。

艦歴

パンパニトは、1943年3月15日にメイン州キタリーのポーツマス海軍造船所で建造が始まります。同年7月12日に艦長夫人によって命名され、11月6日に艦長チャールズ・B・ジャクソン・ジュニア少佐の指揮のもと、正式に就役します。その後、ニューロンドン沖での整調を経て、1944年2月14日に真珠湾に到着しました。

第1、第2の哨戒（1944年3月 - 7月）

パンパニトの第一次哨戒は1944年3月15日に始まりました。マリアナ諸島方面への航行中、グアムを経てヤップ島近海で作戦を展開。途中、敵機からの爆雷攻撃で損傷を受けましたが、何とか任務を続行しました。そして5月8日、54日間の行動を終えて帰投。当時は損傷の修理が行われました。

6月3日からは2回目の哨戒が始まり、日本近海で活躍します。日本海軍潜水艦との接触や敵艦への攻撃を行い、7月23日に再びミッドウェー島に帰投しました。

第3の哨戒（1944年8月 - 9月）

8月17日から始まった3回目の哨戒では、他の潜水艦と協力し南シナ海で日本艦船に対する攻撃を行います。9月12日、捕獲した船団の攻撃を行い、その中の「勝鬨丸」では多くの連合軍捕虜が死亡する結果となりました。攻撃後、パンパニトは生存者を救助し、サイパンに上陸させました。これにより、127名の生存者を救助することができました。帰投は9月28日となります。

第4、第5、第6の哨戒（1944年10月 - 1945年4月）

10月28日には4回目の哨戒に出発し、南シナ海で日本艦船を攻撃します。11月には数隻の船を撃沈し、その後12月30日にフリーマントルに帰投します。1945年1月には5回目の哨戒でヒ88D船団を攻撃し、いくつかの商船を撃沈しました。

さらに2月25日には6回目の哨戒を試みましたが、戦果を上げることができず、4月24日に真珠湾に帰ってきました。その後、オーバーホールのためにサンフランシスコへと回航されます。

戦後の歴史

1960年代、パンパニトは海軍予備役兵の訓練艦として活動し、1971年に除籍となりました。そして1975年にはサンフランシスコで記念艦として公開され、1986年には国定歴史建造物に指定されました。現在、パンパニトはフィッシャーマンズ・ワーフの桟橋に係留されています。

特徴と現在の状況

パンパニトは、潜望鏡、エンジン、魚雷発射管などが稼働可能な状態で維持されています。その特徴的な艦体は、当初は黒を基調とした迷彩が施されていましたが、現在ではグレーの迷彩に変更されている。

登場作品

パンパニトは『イン・ザ・ネイビー』という映画にも登場し、潜水艦「スティングレイ」として描かれました。この映画の中で、パンパニトが実際に艦として映画の重要なシーンに登場することがありました。

パンパニトは第二次世界大戦中に6個の従軍星章を受章し、その間に6隻の艦船を撃沈し、合計27,000トン以上の敵艦に損害を与えました。このように歴史的な背景を持つパンパニトは、今も訪れる人々にその偉大な足跡を伝えています。

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