ビーマイゲスト

ビーマイゲスト：競走馬から伝説の種牡馬へ

アメリカ合衆国ケンタッキー州で誕生したサラブレッド競走馬、ビーマイゲスト（Be My Guest）。その名は、競走馬としての輝かしい経歴と、種牡馬として遺した偉大な遺産によって、競馬史に深く刻まれています。

ビーマイゲストは、名種牡馬ノーザンダンサーを父に、1965年の最優秀3歳牝馬ワットアトリートを母に持つ、まさに良血を受け継いだサラブレッドでした。1975年、ゴフズのイヤリングセールにおいて、当時のヨーロッパ記録となる高額で落札された逸話は、その潜在能力の高さを物語っています。

競走馬としての活躍

2歳時には2戦1勝という成績を残し、その後の活躍を予感させました。3歳シーズンを迎えると、ラドブロークブルーリバンドトライアルステークス（G3）で重賞初制覇を飾ります。続くニジンスキーステークスでは惜しくも2着となりましたが、ウォーターフォードクリスタルマイル（G2）とデズモンドステークス（G3）で立て続けに勝利を挙げ、7戦4勝という素晴らしい成績を残して競走馬としてのキャリアを終えました。

種牡馬として後世に名を残す

競走馬引退後、ビーマイゲストは80万ドルという高額なシンジケートを組まれ、アイルランドのクールモアスタッドで種牡馬としてのキャリアをスタートさせました。初年度から、アサート (Assert) やオンザハウス (On the House) といった、後に活躍馬となる産駒を輩出。その卓越した遺伝子を受け継いだ馬たちは、世界の競馬界を席巻する存在となりました。1982年には、イギリスとアイルランドのリーディングサイアーの称号を獲得するなど、その成功は目覚ましく、類まれな種牡馬としての能力を示しました。

イギリスジョッキークラブの記録によると、ビーマイゲストの産駒1175頭のうち630頭が勝ち上がり、さらにその中から67頭ものステークス競走勝ち馬を輩出しました。その数は、彼の卓越した遺伝子と、優れた種牡馬としての資質の高さを如実に示しています。

代表的な産駒

ビーマイゲストの産駒は、その競走能力の高さだけでなく、種牡馬としても優れた能力を持つ馬も多く輩出しています。以下はその代表例です。

アサート (Assert): ジョッケクルブ賞、アイリッシュダービー、ベンソン＆ヘッジスゴールドカップなど数々のビッグレースを制覇。
オンザハウス (On the House): 1000ギニー、サセックスステークスを制覇。
ルートゥアンシャンテ（Luth Enchantee）: ジャック・ル・マロワ賞、ムーラン・ド・ロンシャン賞など
ゴーアンドゴー（Go And Go）: ベルモントステークス
ペルダー（Pelder）: ガネー賞
ペンタイア（Pentire）: アイリッシュチャンピオンステークス、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス
* バレンタインワルツ（Valentine Waltz）: プール・デッセ・デ・プーリッシュ

さらに、母の父としても、ビーマイナカヤマ、Bachir、Rock of Gibraltar、ウインクリューガー、アドマイヤホープ、アドマイヤフジ、Manduro、アドマイヤコスモスなど、多くの活躍馬に繋がる遺伝子を提供しました。

血統背景と一族

ビーマイゲストの母、ワットアトリートはアラバマステークスやベルデイムステークスなど数々のレースを勝利し、1965年のアメリカ最優秀3歳牝馬に輝きました。その母系には、優れた競走能力を持つ馬が多く存在し、彼の卓越した才能は血統からも裏付けられています。

さらに、従兄弟にはエプソムダービーを制したゴールデンフリースがおり、その血統背景はビーマイゲストの輝かしい実績に深みを与えています。

2003年1月に種牡馬を引退、2004年2月19日、老衰のため息を引き取りました。しかし、その偉大な功績は、現在も世界中の競馬界に影響を与え続けています。ビーマイゲストの物語は、競走馬としての成功にとどまらず、種牡馬としての比類ない成功、そして競馬史に刻まれた伝説へと繋がっています。

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