ピエール・シャルル・ルモニエ

ピエール・シャルル・ルモニエ（Pierre Charles Lemonnier、1715年11月23日 - 1799年5月31日）は、18世紀のフランスを代表する天文学者です。パリで数学者・天文学者であった父ピエール・ルモニエのもとに生まれ、幼少の頃から天文学に触れる機会に恵まれました。

16歳になる前に最初の天文観測を行い、20歳という若さで作成した月面図が評価され、科学アカデミー会員に選出されました。同年に、モーペルテュイやクレローらとともにラップランドのトルネ谷における子午線弧長観測隊に参加し、観測結果をまとめた1738年には、ジョン・フラムスティードの赤経決定法が優れていることをアカデミーで報告しました。

ルモニエは、イギリスの観測法や観測機器をフランスに積極的に導入しました。その活動は、フランスの天文学の発展に大きく貢献し、彼の大きな功績として知られています。ジェームズ・ブラッドリーと共同で章動を考慮した太陽運行表を作成し、1741年にはパリ天文台で子午環の使用を開始しました。また、1748年にはイギリスを訪問し、王立協会の会長であるモートン伯爵やジェームズ・ショアとともにスコットランドで食の観測を行いました。フランス国王ルイ15世からの信頼も厚く、最高級の観測機器の導入を任されたことからも、彼の天文学者としての能力の高さが伺えます。

ルモニエは、木星の土星による摂動を観測し、1748年にその結果がオイラーによって理論的に裏付けられました。また、50年以上にわたって月の運動を観測し続けました。地磁気や大気の帯電にも関心を持ち、大気の電位が1日の間に一定の周期で変動することを発見しました。多くの星の位置を決定しましたが、その中には後にハーシェルが発見する天王星も含まれていました。ルモニエは、天王星を惑星と認識することなく、12回以上も別の星として観測記録に残しています。コレージュ・ド・フランスでは、引力の法則に関する講義を初めて行い、ジェローム・ラランドを見出し、天文学の世界に導いた功績も特筆されます。

ルモニエは、ラップランドへの子午線弧長測量遠征を記念してトナカイ座を、ロドリゲス島への金星の太陽面通過観測遠征を記念してツグミ座を設定しましたが、現在これらの星座は使われていません。また、ジャン・フォルタンが企画した『フラムスティード星図』のフランス語縮刷版である『フラムスティード天球図譜』の監修を担当し、彼が設定したトナカイ座が描かれているほか、天球図もルモニエによって作成されたものに差し替えられました。

ルモニエは、バイユー近くのエリルで生涯を閉じました。3人の娘のうち一人は、有名な数学者ジョゼフ＝ルイ・ラグランジュの妻となりました。ルモニエの天文学への情熱と貢献は、後世に大きな影響を与え続けています。

主な業績

月面図の作成
ラップランド子午線弧長測量観測隊参加
イギリスの観測機器、観測法のフランス導入
章動を考慮した太陽運行表の作成
木星の土星による摂動観測
月の運動の長期観測
大気電位の周期変動の発見
天王星の観測記録
引力の法則に関する講義
ジェローム・ラランドの育成

関連項目

* 18世紀生まれの天文学者

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