フィグネリア (小惑星)

フィグネリア (1099 Figneria) について

フィグネリアは、小惑星帯の外側に位置する小惑星で、その直径は約26kmと推定されています。1928年に、クリミア天体物理天文台でグリゴリー・ネウイミンによって発見され、後にロシアの革命家、活動家であるヴェーラ・フィグネルに敬意を表して命名されました。

発見の経緯

1928年9月13日、フィグネリアはソビエト連邦の天文学者グリゴリー・ネウイミンによって、クリミア半島のクリミア天体物理天文台で発見されました。興味深いことに、同じ夜にはドイツの天文学者マックス・ヴォルフもケーニッヒシュトゥール天文台で独立してこの小惑星を発見しています。しかし、小惑星センターはネウイミンによる最初の発見のみを公式に認定しました。

さらに遡ると、フィグネリアは1927年10月にシメイズで「A917 UF」として最初に観測されており、この観測記録は公式な発見よりも11ヶ月前のものとなります。これにより、フィグネリアは長期間にわたり観測されていたことがわかります。

軌道と分類

フィグネリアは、小惑星帯の中でも特に小惑星族に属さない小惑星です。太陽から2.3〜4.1天文単位の範囲を、約5年8ヶ月（2071日）かけて公転しています。その軌道離心率は0.28で、黄道に対する軌道傾斜角は12°です。この特徴的な軌道により、フィグネリアは小惑星帯の外部領域を巡るユニークな存在となっています。

物理的性質

フィグネリアのスペクトル型は、パンスターズによる観測ではL型またはS型とされていますが、偏光観測ではK型と分類されています。また、炭素質のC型小惑星である可能性も示唆されており、その組成についてはまだ確定的な結論が出ていません。これらの異なるスペクトル型の特徴は、フィグネリアの表面組成が複雑であることを示唆しています。

自転周期

2007年9月、オーストラリアのキングスグローブ天文台とルーラ天文台で、天文学者ジュリアン・オエイがフィグネリアの光度曲線を測定しました。その分析結果から、フィグネリアの自転周期は13.577時間であり、その際、光度が0.16等級変化することが判明しました。さらに、2014年1月には、カリフォルニア州のパロマートランジエントファクトリーの観測によって、自転周期が13.583時間、光度の変化が0.15等級という、非常に近い値が報告されています。これらの観測結果は、フィグネリアの自転が安定しており、その光度変化が比較的均一であることを示しています。

直径とアルベド

赤外線天文衛星IRAS、日本のあかり、そしてアメリカ航空宇宙局の広視野赤外線探査機NEOWISEによる観測データに基づくと、フィグネリアの直径は23.309kmから29.39kmの間と推定されています。また、表面のアルベド（反射率）は0.1415から0.225の範囲であることがわかっています。Collaborative Asteroid Lightcurve Link (CALL)の分析では、絶対等級10.2に基づき、アルベドを0.1683、直径を29.55kmとしています。これらのデータは、フィグネリアの物理的特性をより詳しく把握するための重要な情報源となっています。

命名の由来

フィグネリアは、発見者であるネウイミンによって、ロシアの作家、革命家、活動家であったヴェーラ・フィグネル（1852年-1942年）にちなんで命名されました。公式な命名の引用は、Planetenzirkular des Astronomischen Rechen-Institut (RI 789) に掲載されました。この命名は、フィグネルの業績を後世に伝えるための重要な手段となっています。

まとめ

フィグネリアは、小惑星帯の外縁に位置する興味深い小惑星であり、その発見から軌道、物理的性質に至るまで、多くの観測と分析が重ねられてきました。今後もさらなる研究が進むことで、その詳細な組成や進化の歴史が解明されることが期待されます。

外部リンク

Asteroid Lightcurve Database (LCDB) (query form)
Dictionary of Minor Planet Names, Google books
Asteroids and comets rotation curves, CdR – Observatoire de Genève, Raoul Behrend
Discovery Circumstances: Numbered Minor Planets (1)-(5000) – Minor Planet Center
フィグネリア - JPL Small-Body Database
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