フェアリー バラクーダ

フェアリー バラクーダ (Fairey Barracuda)

フェアリー バラクーダは、イギリス海軍艦隊航空隊で使用された艦上雷撃機で、フェアリー・アビエーション社によって製造されました。複葉機のフェアリー アルバコアの後継機として開発され、全金属製の卵型胴体と高翼配置の単葉デザインを持つバラクーダは、エンジンの運用面で課題を抱えながらも1940年に初飛行を遂げ、最終的に1937年の仕様S.24/37に基づく単葉雷撃機として成功を収めました。

開発の経緯

バラクーダの開発は、1937年に航空省が出した単葉雷撃機の仕様から始まりました。フェアリーとスーパーマリンの案が選ばれ、それぞれ2機の試作機が製造されました。最初の試作機は1940年12月7日に初飛行を行い、その後、さまざまな改良が施されました。特に、尾翼の変更により飛行安定性が向上し、Mk. IIとして量産されることになりました。

バラクーダ Mk. IIは、強力なロールス・ロイス マーリン 32エンジンを搭載し、主翼にダブル・ヤングマンフラップを装備することで空母着艦を容易にしました。量産型としては1,688機が生産され、エアブレーキと強力なフラップにより高評価を得ました。

戦歴

バラクーダは1943年1月10日に実戦配備され、以降23の飛行隊で運用されました。その戦闘任務の中には、ノルウェー沖での攻撃や、1943年に行われた地中海への移動が含まれます。また、急降下爆撃機としても使用され、ドイツ戦艦「ティルピッツ」に対する攻撃で重要な役割を果たしました。この攻撃では、42機のバラクーダが出撃し、14発の直撃弾を与える力強さを発揮しました。

バラクーダはその後、対潜任務にも利用されるようになり、Mk. III型がレーダーを搭載して供給されました。イギリス空軍でも採用され、1945年まで現役でした。特に日本に対する攻撃にも参加し、ジャワやスマトラの空襲に従事しました。

技術仕様と派生型

バラクーダ Mk. IIの主要な仕様は、乗員3名、全長12.1 m、翼幅15.0 m、最大速度367 km/h、最大離陸重量6,386 kg、武装にはヴィッカーズ 7.7mm 機関銃が2門、魚雷1発、726kgの爆弾を搭載可能でした。

バラクーダにはいくつかの派生型があります。Mk. Iは早期生産型として30機が製造され、Mk. IIIは対潜水艦型として852機が生産されました。さらに、Mk. Vではエンジンが強化され、37機が製造されました。

結論

バラクーダは、その独特な設計と多才な運用方法により、第二次世界大戦中に重要な役割を果たしました。数多くの戦闘任務に参加したにもかかわらず、事故も少なくなく、特に油圧システムの液漏れが原因で多くの惨事を引き起こしました。最終的には、1950年代中期までイギリス海軍で使用され続けましたが、現在では十分な部品がないため、展示されることはありません。

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