ヘヴン・フォー・エヴリワン

ヘヴン・フォー・エヴリワン (Heaven for Everyone)

「ヘヴン・フォー・エヴリワン」は、クイーンのドラマー、ロジャー・テイラーが作詞作曲した楽曲です。この曲は、彼のサイドプロジェクトであるザ・クロスによって1988年にリリースされたアルバム『夢の大陸横断』に初めて収録されました。この時のバージョンでは、フレディ・マーキュリーがゲストボーカルとして参加しています。その後、クイーンによって再録音され、1995年のアルバム『メイド・イン・ヘヴン』に収録されました。

楽曲の背景と制作

この楽曲は、元々1986年にクイーンのアルバム『カインド・オブ・マジック』のセッション中に書かれたという説がありますが、当時は完成に至らなかったと考えられています。その後、テイラーが自身のアルバム『Shove It』を制作する際に、フレディにボーカルを依頼し、2つのバージョンを録音しました。一つはテイラーがリードボーカルを、もう一つはフレディがリードボーカルを務めました。

ザ・クロス版では、曲のイントロと中間部にテイラーによる韻文の朗読が含まれていますが、マーキュリー版にはありません。どちらのバージョンも、最後にテイラーの「And that is the end of this section.」というセリフで終わります。

イギリスでは、アルバム『夢の大陸横断』にマーキュリー版が収録され、シングルにはテイラー版が収録されました。アメリカでは、アルバムにテイラー版が収録され、シングルはリリースされませんでした。

テイラー自身は、この曲について「愛と尊厳、そして反戦について扱っている」と語っています。

担当

ザ・クロス版

ロジャー・テイラー – ボーカル、ほとんどの楽器
スパイク・エドニー – キーボード、ボーカル
フレディ・マーキュリー – ゲストボーカル、バッキングボーカル
ザ・クロスのメンバー、またはジョン・ディーコン

クイーン版

フレディ・マーキュリー – リードボーカル、バッキングボーカル
ブライアン・メイ – エレクトリックギター、バッキングボーカル
ロジャー・テイラー – ドラム、キーボード、バッキングボーカル
ジョン・ディーコン – ベース

収録曲

ザ・クロスのシングル盤（1988年3月20日発売）

英国版7インチシングル

1. ヘヴン・フォー・エヴリワン (Roger Taylor vocals)
2. ラヴ・オン・ア・タイトロープ

英国版12インチシングル

1. ヘヴン・フォー・エヴリワン (Roger Taylor vocals)
2. ラヴ・オン・ア・タイトロープ
3. コンタクト

クイーンのシングル盤（1995年発売）

フレディ・マーキュリーの死後、クイーンはこの曲を再演奏し、アルバム『メイド・イン・ヘヴン』に収録しました。1987年に録音されたマーキュリーのボーカルに、新しい伴奏とバッキングボーカルが加えられました。ザ・クロス版に含まれていたテイラーの韻文部分は削除されています。この再録音版は、アルバム発売の2週間前にシングルとしてリリースされました。

英国盤 CD1

1. ヘヴン・フォー・エヴリワン (Single Version)
2. イッツ・ア・ビューティフル・デイ
3. ヘヴン・フォー・エヴリワン (Album Version)

英国盤 CD2

1. ヘヴン・フォー・エヴリワン (Single Version)
2. 炎のロックンロール
3. 輝ける7つの海
4. キラー・クイーン

英国盤 カセット

1. ヘヴン・フォー・エヴリワン (Single Version)
2. イッツ・ア・ビューティフル・デイ (Single Version)

アメリカ盤 CDシングル

1. ヘヴン・フォー・エヴリワン (Single Version)
2. ソウル・ブラザー

英国盤12インチシングル/プロモーションCD

1. ヘヴン・フォー・エヴリワン (Single Version)

英国盤7インチシングル

A面：ヘヴン・フォー・エヴリワン (Single Version)
B面：ヘヴン・フォー・エヴリワン (Album Version)

ミュージック・ビデオ

クイーン版のミュージック・ビデオは、デヴィッド・マレットが監督し、フレディ・マーキュリーを追悼する落書きで始まり、ジョルジュ・メリエスの映画『月世界旅行』、『The Impossible Voyage』、『The Eclipse』の映像が使用されています。

別のミュージック・ビデオは、サイモン・パメルが監督し、人間と機械の新しい時代を象徴するパフォーマーのステラークが起用されています。

ザ・クロス版のミュージック・ビデオは、3段構成のセットで撮影され、下段では老人が火を焚き、中段ではザ・クロスが演奏し、上段ではテイラーが弾き語りをしています。

チャートと売上

この曲は、全英シングルチャートで2位を記録しました。

外部リンク

video (based on short film "Evolution") 映像 - YouTube
クイーン公式ウェブサイト（歌詞）

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