クイーンの代表曲「キラー・クイーン」
「キラー・クイーン」(Killer Queen)は、
イギリスのロックバンド、クイーンが1974年に発表した楽曲です。
アルバム『シアー・ハート・アタック』からの先行
シングルとしてリリースされ、「フリック・オブ・ザ・リスト」との両A面
シングルでした。
大ヒットと評価
この曲は、
イギリスのチャートで2位を記録し、クイーンにとって初のスマッシュヒットとなりました。また、アメリカのチャートでも12位にランクインし、アメリカで初めてヒットした
シングルとしても知られています。日本では、オリコン洋楽
シングルチャートで1975年4月28日付で1位を獲得しました。作詞作曲は
フレディ・マーキュリーが担当し、1975年には英国作曲家協会からアイヴァー・ノヴェロ賞を受賞しています。
楽曲の構成と特徴
歌詞は、上流階級の
コールガールについて歌ったもので、
フレディ・マーキュリーが一晩で書き上げたと言われています。マーキュリー自身は、この曲を「
ノエル・カワードが歌ってもおかしくない」と評しています。また、マーキュリーの作品としては珍しく、歌詞が先に書かれた楽曲であり、「普段の曲作りの段取りから逸脱した」と語っています。彼はこの曲について、「僕が表現したいと考えていた洗練されたスタイルに則った。」とも述べています。
レコーディングでは、通常の
グランドピアノに加え、タック・ピアノの音色をオーバーダビングすることで、
ヴォードヴィル調のサウンドを作り上げています。さらに、4声のコーラスやベル効果を用いたギターソロなど、独特なサウンドが特徴です。この楽曲は、ロックフィールド・スタジオで一部が制作されました。
ミュージックビデオ
ミュージックビデオは、BBCの音楽番組『トップ・オブ・ザ・ポップス』に出演した際の映像が使用されています。この映像は、
口パクと
当て振りによるパフォーマンスで構成されており、DVD『グレイテスト・ビデオ・ヒッツ1』などに収録されています。また、2018年に公開された映画『
ボヘミアン・ラプソディ』でも、『トップ・オブ・ザ・ポップス』出演時のエピソードが描かれています。
ライブでの演奏
「キラー・クイーン」は、クイーンにとって初の大ヒット曲となったため、すぐにライブのセットリストに組み込まれました。1974年から1981年までのライブでは、メドレーの一部として演奏されましたが、フルで演奏されることはありませんでした。1974年から1975年の「
Sheer Heart Attack Tour」では「神々の業」、1975年から1976年の「
A Night at the Opera Tour」では「
ボヘミアン・ラプソディ」、1984年から1985年の「
The Works Tour」では「愛にすべてを」(短縮版)と繋げて演奏されました。
しかし、1982年の「
Hot Space Tour」や、
フレディ・マーキュリーにとって最後のライブツアーである「
Magic Tour」では演奏されませんでした。
1. キラー・クイーン
2. フリック・オブ・ザ・リスト
演奏メンバー
フレディ・マーキュリー - ボーカル、バッキング・ボーカル、グランドピアノ、タック・ピアノ、フィンガースナップ
ブライアン・メイ -
エレクトリック・ギター、バッキング・ボーカル
ロジャー・テイラー - ドラム、トライアングル、ウィンドチャイム、バッキング・ボーカル
ジョン・ディーコン - ベース
チャート成績と認定
イギリス:2位
アメリカ:12位
日本:オリコン洋楽シングルチャート1位
スタジオ音源
シアー・ハート・アタック
グレイテスト・ヒッツ
ジュエルズ
クイーン・イン・ヴィジョン 2008 〜グレイテストTV&ムーヴィー・ヒッツ〜
ボヘミアン・ラプソディ (オリジナル・サウンドトラック)
ライブ音源
ライヴ・アット・ザ・レインボー‘74
オデオン座の夜〜ハマースミス1975
ライヴ・キラーズ
伝説の証/クイーン1981
WE ARE THE CHAMPIONS FINAL LIVE IN JAPAN 1985
タイアップ
Honda『モビリオ』CMソング(2004年)
カバーバージョン
2000年に音楽ゲーム『GUITARFREAKS 4thMIX』・『drummania 3rdMIX』に収録
2018年、
ファイヴ・セカンズ・オブ・サマーがカバーし
シングルリリース
トラヴィス、Sum 41などがカバー
その他
漫画『
ジョジョの奇妙な冒険』の登場人物、吉良吉影のスタンド「キラークイーン」の名前の由来
アニメ『ファミリー・ガイ』シーズン11のエピソードタイトルおよびエンディングテーマに使用
関連リンク
Killer Queen - Geniusの歌詞ページ