ベスト・コレクション (郷ひろみのアルバム)

郷ひろみ『ベスト・コレクション』：80年代を彩るヒット曲の数々

1985年と1986年、郷ひろみはCBS・ソニーより2作のベストアルバム『ベスト・コレクション』をリリースしました。これらのアルバムは、彼のシングルヒット曲を網羅した、いわば集大成的作品と言えるでしょう。特に、1985年盤は郷ひろみの作品としては初のCD化作品という歴史的意義も持ちます。

両作品は、収録されている楽曲の大部分が共通しており、全15曲中、わずか2曲のみが異なるという構成となっています。このわずかな違いが、それぞれのアルバムに個性を与え、ファンにとってコレクションする価値を高めていると言えるでしょう。

1985年度盤：初期ヒットから代表作までを網羅

1985年度盤には、郷ひろみのキャリア初期から中期にかけて発表された代表的なシングル曲が収録されています。デビュー曲「男の子女の子」から始まり、「小さな体験」、「愛への出発」、「裸のビーナス」、「よろしく哀愁」といった初期の名曲、そして「ハリウッド・スキャンダル」、「マイ レディー」、「セクシー・ユー（モンロー・ウォーク）」、「How many いい顔」、「お嫁サンバ」、「哀愁のカサブランカ」、「素敵にシンデレラ・コンプレックス」、「2億4千万の瞳-エキゾチック・ジャパン-」、「ケアレス・ウィスパー」、「愛のエンプティーペイジ」と、80年代を代表するヒット曲がズラリと並んでいます。これらの楽曲は、郷ひろみの歌唱力と、当時としては斬新だった音楽性、そして洗練されたアレンジにより、多くの人々の心を掴みました。それぞれの楽曲には、郷ひろみのアーティストとしての成長と、時代の変化が刻印されており、まさに彼のキャリアを凝縮した一枚と言えるでしょう。

1986年度盤：新たな代表曲を加え、さらに充実

1986年度盤は、1985年度盤をベースに、新たな楽曲「サファイア・ブルー」と「バイブレーション（胸から胸へ）」が追加されたバージョンです。「サファイア・ブルー」は、当時最新のヒットシングルとして収録され、アルバムの新鮮さを際立たせています。「バイブレーション（胸から胸へ）」も、郷ひろみの代表曲の一つとして人気を博しました。これらの楽曲が加わることで、1986年度盤は、1985年度盤よりもさらに充実した内容となり、郷ひろみファンならずとも、80年代の音楽シーンを彩った名曲の数々に酔いしれることができるでしょう。

まとめ：CD時代の幕開けと80年代ポップスの金字塔

『ベスト・コレクション』は、郷ひろみ自身のCD作品第一号というだけでなく、80年代の日本のポップスシーンを代表する名曲の数々を網羅した、まさに決定版と言えるアルバムです。1985年度盤と1986年度盤のわずかな違いも、その時代背景を反映しており、音楽史における重要な位置付けを持つ作品と言えるでしょう。これらのアルバムは、郷ひろみを知る上でも、80年代の音楽を振り返る上でも、非常に貴重な資料となっています。それぞれのバージョンに収録されている楽曲を聴き比べることで、郷ひろみの音楽的進化や、時代の流れを感じ取ることができるでしょう。当時を知る世代には懐かしさを感じさせ、若い世代には新たな発見をもたらす、そんな魅力に溢れたアルバムです。

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