ベーリング (競走馬)

ベーリング：競走馬から種牡馬へ

イギリスで生まれた競走馬ベーリングは、1985年のデビューから瞬く間に注目を集めました。2歳時には初勝利を飾り、3歳となった1986年には、ノアイユ賞、オカール賞とG2競走を連勝。そして、ジョッケクルブ賞（G1）ではレースレコードとなる2分24秒1を記録し、勝利を収めました。その後、ニエル賞（G3）も制し5連勝を達成。勢いに乗って挑んだ凱旋門賞（G1）では、名馬ダンシングブレーヴに惜しくも1馬身半差で敗れ、2着に終わりましたが、このレースを最後に競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。

引退後は、1987年からアメリカ・ケンタッキー州で種牡馬としての道を歩み始めます。2009年まで種牡馬として活躍し、多くの優秀な競走馬を輩出しました。その後は、フランスのドーヴィルのケスネー牧場で繋養され、2011年にその生涯を終えました。

ベーリングの偉大な産駒たち

ベーリングは種牡馬としても卓越した能力を発揮し、数々のG1競走優勝馬を世に送り出しました。その中でも特に有名なのが、ペニカンプとアメリカンポストです。ペニカンプはサラマンダー賞、デューハーストステークス、2000ギニーステークスなど数々の重賞競走を制覇し、アメリカンポストもジャン・リュック・ラガルデール賞、レーシングポストトロフィー、プール・デッセ・デ・プーランといったG1競走を勝利しました。両馬はその後、種牡馬として活躍し、ベーリングの血統はさらに広がりを見せることとなります。

日本でも、ベーリング産駒のケープリズバーンが1999年にTCK女王盃を制覇するなど、その血統は大きな成功を収めました。他にも多くの産駒が国内外のレースで活躍し、ベーリングの遺伝子が競馬界に大きな影響を与えたことは間違いありません。

以下に、ベーリングの代表的な産駒を年代別に列挙します。

1988年産
ピーターデイヴィス（レーシングポストトロフィー）
スチーマーダック（グランクリテリウム）

1992年産
マティアラ（プール・デッセ・デ・プーリッシュ）
ペニカンプ（サラマンダー賞、デューハーストステークス、2000ギニーステークス、種牡馬）

1995年産
グロロシア（フィリーズマイル）
ケープリズバーン（TCK女王盃）

2001年産
* アメリカンポスト（ジャン・リュック・ラガルデール賞、レーシングポストトロフィー、プール・デッセ・デ・プーラン、種牡馬）

ベーリングは母の父としても活躍しており、その産駒にはスペシャルリング（エディリードH）、トーレストレラ（プール・デッセ・デ・プーリッシュ）、シーチャリオット（東京ダービー）、ジェントゥー（カドラン賞、ロワイヤルオーク賞）、ハービンジャー（キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス）、サトノアポロ（中日新聞杯）、モランディ（クリテリウムドサンクルー）、ストラディバリウス（グッドウッドカップ、ゴールドカップ）、リトルビッグベアー（フェニックスステークス）、ホイッスルジャケット（モルニ賞）など、多くの活躍馬が名を連ねています。

ベーリングは競走馬として、そして種牡馬として、競馬史に名を刻む偉大な馬でした。その血統は現在も世界中で受け継がれ、多くのサラブレッドに影響を与え続けています。

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