ホセ・デ・マドラーソ

ホセ・デ・マドラーソについて

ホセ・デ・マドラーソは1781年にスペイン・カンタブリア州のサンタンデールで生まれた画家で、版画家としても知られています。彼は主に肖像画や歴史画を描き、19世紀のスペイン美術において重要な役割を果たしました。また、プラド美術館の館長としてもその名を馳せています。

幼少期と学び

マドラーソは、マドリードの王立サン・フェルナンド美術アカデミーで絵画を学びました。彼は、コスメ・デ・アクーニャやグレゴリオ・フェロといった名匠たちに師事しました。その才能は早くから評価され、フランス大使のフェルナンド・ラ・セルナによって注目され、1803年にはパリに渡り、著名な新古典派の画家ジャック＝ルイ・ダヴィッドの工房で技術を磨く機会を得ました。

ローマでの生活

その後、ナポレオンの治世が続く中で、マドラーソは1806年にローマに移ります。ここではアカデミア・ディ・サン・ルカで学ぶとともに、シレジア出身の画家タデウシュ・クンツェの娘と結婚しました。ローマでは、退位後に亡命していたスペイン国王カルロス4世に宮廷画家として仕官しましたが、これは名目的なものでした。

帰国と美術教育への貢献

ナポレオンの支配が終わった後、1818年にマドリードに戻ったマドラーソは、1823年に王立サン・フェルナンド美術アカデミーの教授に任命され、その後校長に就任しました。彼は美術教育の発展にも尽力し、教育者としての役割を果たしました。

プラド美術館での役割

1819年には、スペイン王室が美術コレクションの整理と拡充を目的に設立したプラド美術館に関与し、1838年には館長に就任しました。彼の収蔵品の管理と拡大には多くの努力が注がれ、その成果は現在も高く評価されています。

家族と後世への影響

彼の息子たちも画家として活躍し、フェデリコ・デ・マドラーソやルイス・デ・マドラーソの名があります。彼らに加えて、次世代のライムンド・デ・マドラーソも画家となり、マドラーソ家はスペイン美術界における名家となりました。

結論

ホセ・デ・マドラーソの偉業は、その絵画だけでなく、美術教育や美術館の運営にも及びました。彼の作品や影響力は、スペイン美術の歴史において決して忘れられることはありません。彼の尽力は、後世の多くの画家たちにも受け継がれ、現在も尊敬され続けています。

もう一度検索