ホンダ・クイント

ホンダ クイント (QUINT)

クイントは、本田技研工業が1980年に発表し販売を開始したハッチバック型の小型乗用車です。このモデルは、同社のアイコニックな車、アコードとシビックの中間的な立ち位置にあり、幅広い用途に適した車として設計されました。

製品概要

1980年2月13日に発表され、同年2月16日から販売が開始されたクイントは、ファストバックスタイルの5ドアハッチバックセダンとしてのみ製造されました。特に「ベルノ店」で販売されたこともあり、デザインや性能は実用性を考慮しつつも、よりスポーツカー的な走行性能を追求していました。これは、都市部での利用をはじめ、家族や友人とともに出かける際の快適さを考慮した結果でもあると言えるでしょう。

搭載されるエンジンは、同じくホンダのアコードでも使われるEP型の1.6リッターSOHC CVCCエンジンで、最大出力は90PSを発揮します。トランスミッションには、5速マニュアルと3速ホンダマチックの2種類が用意され、運転者の好みに応じた快適な運転が可能でした。

このクイントは、1985年にフルモデルチェンジされ、「クイントインテグラ」と改称されました。その結果、「クイント」という名前はこのモデルで一代限りとなりました。

海外市場での展開

また、ホンダは当時ローバーとの提携関係にあったため、オーストラリアではクイントのバッジエンジニアリングされたモデルが「ローバー・クインテット」として1983年から1985年の間販売されました。これは、ホンダのブランド力を利用しつつ、新しい市場に進出する戦略の一環でした。

エンジン性能

クイントに搭載されているエンジンは水冷直列4気筒横置き形式で、CVCC SOHCのベルト駆動機構を採用しています。具体的なエンジンスペックは以下の通りです：

• - 排気量: 1,601cc
• - 内径×行程: 77.0mm×86.0mm
• - 圧縮比: 8.8
• - 最高出力: 90PS/5,500rpm
• - 最大トルク: 13.2kgf·m/3,500rpm
• - 燃料供給方式: キャブレター
• - 使用燃料: 無鉛レギュラーガソリン
• - 燃料タンク容量: 50L

車名の由来

「クイント」という名称は、五人組や五重奏を意味する表現「クインテット（Quintet）」から派生したもので、特に欧州市場では「クインテット」としても知られています。これは、クイントのデザインと特性の多様性を反映した命名と言えるでしょう。

まとめ

クイントは、当時のホンダの技術力とデザイン性が結集されたモデルであり、アコードとシビックの魅力を兼ね備えた車として多くのファンに支持されました。後のモデルであるインテグラやコンチェルトなどにその技術とデザインの影響を与え、ホンダらしいスポーティな小型車の位置付けを確立しました。

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