ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦の県

ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦の県について

ボスニア・ヘルツェゴビナは、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とスルプスカ共和国という二つの構成体から成り立っています。このうち、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦には10個の県が設置されており、それぞれの県が独自の行政機構を持っています。

県の概要

ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦の県は、ボスニア語で「kanton」、クロアチア語で「županija」、セルビア語で「кантон」と呼ばれています。これらの県は、連邦内の地域行政を担っており、知事を首班とする内閣が置かれています。各県の下には、基礎自治体である「オプチナ」（ボスニア語、クロアチア語: Općina、セルビア語: Општина）が置かれています。

スルプスカ共和国には県は置かれていません。

県の一覧と民族構成

以下に、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦に存在する10個の県と、それぞれの県の主な民族構成を示します。

1. ウナ＝サナ県：ボシュニャク人が多数を占めています。
2. ポサヴィナ県：クロアチア人が多数を占めています。
3. トゥズラ県：ボシュニャク人が多数を占めています。
4. ゼニツァ＝ドボイ県：ボシュニャク人が多数を占めています。
5. ボスニア・ポドリニェ県：ボシュニャク人が多数を占めています。
6. 中央ボスニア県：ボシュニャク人とクロアチア人が拮抗しています。
7. ヘルツェゴビナ＝ネレトヴァ県：ボシュニャク人とクロアチア人が拮抗しています。
8. 西ヘルツェゴビナ県：クロアチア人が多数を占めています。
9. サラエヴォ県：ボシュニャク人が多数を占めています。
10. 第十県：クロアチア人が多数を占めています。

このように、県によって民族構成が異なっており、それが地域行政にも影響を与えています。中央ボスニア県とヘルツェゴビナ＝ネレトヴァ県は、特定の民族が多数を占めるわけではなく、ボシュニャク人とクロアチア人の間でバランスが保たれています。

言語について

ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦では、ボスニア語、クロアチア語、セルビア語が公用語として定められています。そのため、県名もこれらの言語で表記されています。県によっては、英語名も用いられています。

各言語間での名称の違いにも注意が必要です。例えば、クロアチア語では「県」を「Kanton」ではなく「županija」と表現します。また、セルビア語ではキリル文字が用いられます。

ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦の県は、多様な民族と文化が共存する地域であり、それぞれの県が独自の歴史と特色を持っています。各県の行政機構や民族構成を理解することは、ボスニア・ヘルツェゴビナという国を理解する上で重要な要素となります。

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