マクミンビル (オレゴン州)

マクミンビルの概要

マクミンビルは、アメリカ合衆国オレゴン州ヤムヒル郡に位置する都市で、同郡最大の都市であり郡庁所在地です。2020年の国勢調査によると、人口は34,319人です。この街の名前は、開拓者ウィリアム・T・ニュービーの出身地であるテネシー州のマクミンビルに由来しています。

マクミンビルは、ヤムヒル川の支流がウィラメットバレーで合流する地点にあり、Schnitzer Steel Industriesの子会社であるカスケード・スティール社や、リンフィールド・カレッジなどが拠点を置いています。

歴史

1843年、ウィリアム・T・ニュービーは、当時オレゴン・カントリーと呼ばれていた地域に移住し、現在のマクミンビルに定住しました。1844年に土地所有宣言を行い、1853年には現在の3番街の場所に製粉所を建設しました。1856年5月5日、彼は街を創設し、出身地のテネシー州マクミンビルから「マクミンビル」と名付けました。

また、地元にリンフィールド・カレッジが創設される際には、自らの土地をキャンパスのために寄付しました。マクミンビルは1876年に自治体化し、1882年には市に昇格しました。1886年には、ラファイエットからヤムヒル郡庁が移転しました。

地理

マクミンビルは、太平洋に面するリンカーンシティから87km、ポートランドから60km、州都セイラムから42kmの距離に位置しています。アメリカ合衆国国勢調査局によると、市の面積は27.40平方キロメートルで、水面積率は0%です。

経済

マクミンビルでは、毎年開催されるオレゴン国際航空ショーが、2019年からマクミンビル市営空港で開催されています。この航空ショーは、航空産業の振興と、空軍・退役軍人の顕彰を目的としています。また、地元の協力のもと開催され、1988年から累計300万米ドルの寄付がマクミンビルだけでなく、ワシントン郡ヒルズボロやオレゴン州にも行われています。

1960年代初頭には、ケルトン・ペリーらがゴルフ場開発に着手し、キャプテン・フランシス・マイケルブックの牧場を買収しました。その際、マイケルブックは自分の名前をゴルフ場につけることを条件としたため、「マイケルブック・カントリークラブ」と命名されました。

1968年から、Schnitzer Steel Industriesの子会社であるカスケード・スティール社がマクミンビルに本社工場を構えています。カスケード社は、リサイクルメタルを高付加価値の鉄製品に加工しており、アーク炉を利用して鉄筋や鉄筋コイル、ワイヤーなどを製造しています。

2016年には、マクミンビルの農協が別の農協であるオーガニック・バレーを買収しました。オーガニック・バレーは全米最大の有機野菜生産者で、オレゴン州とワシントン州の72名の事業者が加盟しています。

1993年からは、ゴールデンバレー・ブルワリー・アンド・パブ社がマクミンビルに本社を置いています。同社はアンガス牛の畜産を行っており、また、マクミンビルのグラナリー歴史地区にあるへーター・アレン醸造は、ピルスナー部門で世界トップのブルワリーとして知られています。マクミンビルではビール醸造が盛んで、合計6つのクラフトビール醸造所と2つのグルテンフリー醸造所があります。

1990年代以降、マクミンビル周辺のブドウ畑のほとんどがウィラメット・ヴァレーAVAに含まれるようになり、マクミンビルはオレゴン・ワインの中心地と呼ばれるようになりました。2005年1月には、下部組織のマクミンビルAVAが設立され、14のワイナリーが合計2.12平方キロメートルのブドウ畑を管理しています。

マクミンビルの経済成長に伴い、住宅価格は上昇を続けており、1平方フィートあたりの住宅価格の中央値は200米ドルを超えています。

気候

マクミンビルの夏はやや暑く乾燥しており、平均気温が摂氏22度を超えることはありません。ケッペンの気候区分によると、マクミンビルは地中海性気候に分類されます。標準的な平均気温は、12月の摂氏4.3度から8月の摂氏19.1度の間に分布しています。平均年間降水量は1,009ミリで、毎年11月にピークを迎えます。記録上の最低気温は1950年1月31日の摂氏-22度、最高気温は1926年7月9日、10日の摂氏43度です。

人口動静

2010年の国勢調査に基づいたデータがあります。

2000年の国勢調査に基づく収入と家計に関するデータは以下の通りです。

世帯収入の中央値: 38,953米ドル
家族収入の中央値: 44,013米ドル
男性の収入の中央値: 33,517米ドル
女性の収入の中央値: 24,405米ドル
人口1人あたり収入: 17,085米ドル
貧困線以下の人口割合: 12.9%
貧困線以下の家族割合: 8.2%
18歳未満の貧困割合: 14.0%
65歳以上の貧困割合: 7.8%

芸術と文化

マクミンビルでは、毎年恒例の文化行事が多数開催されています。

ターキー・ラーマ: 毎年3日間にかけて行われる七面鳥バーベキューのイベントで、1938年から続く伝統行事です。七面鳥の品評会やレースも開催されます。
国際ピノ・ノワール祭: 1987年から毎年7月にリンフィールド・カレッジで開催されるワインイベントです。地元のぶどう農家やシェフ、ワイン愛好家が集まります。
マック・フードトラック・フェスティバル: 2018年から開催されているフードトラックイベントで、地元のビールやワインも楽しめます。
シップ！マクミンビル・ワイン&フードクラシック: 1993年から毎年開催されているワインと飲食関連の展示会です。エバーグリーン航空宇宙博物館で開催され、アメリカ北西部のシェフやワインメーカーが集まります。

博物館・その他の名所

エバーグリーン航空宇宙博物館: ハワード・ヒューズが開発した世界最大のプロペラ飛行艇H-4 ハーキュリーズを展示する博物館です。80機の航空機が展示され、IMAXシアターや屋内プールも併設されています。
ヤムヒルバレー歴史博物館: ヤムヒル郡歴史協会が運営する博物館で、ヤムヒル郡内の文化遺産の保存と展示を目的としています。

UFOの名所

マクミンビルは、UFO研究家にとって有名な場所です。1950年6月9日、地元紙が未確認飛行物体の目撃情報を報じ、その写真が掲載されました。現在「マクミンビルのUFO写真」として知られるこの写真は、UFO研究家と懐疑論者の間で論争を呼びましたが、マクミンビルの名は有名になり、現在では毎年UFOフェスティバルが開催されています。

公園・レジャー施設

マクミンビルには18ヶ所の公園があり、最大の公園はジョー・ダンサー・パークです。また、1956年からアクアティックセンターも運営されており、屋内プールやフィットネスセンターがあります。

郊外にはゴルフ場も立地しており、バーユーゴルフ場やマイケルブック・カントリーコースがあります。シティ・パークは、市中心部から徒歩圏内にあり、1910年に設置された歴史ある公園です。

教育

マクミンビルの公教育は、マクミンビル学校区が担当しており、マクミンビル高校や2つの中学校、5つの小学校があります。

リンフィールド・カレッジは、1858年にバプテスト教会によって設立された歴史ある大学です。2020年にリンフィールド大学に名称変更され、リベラルアーツカレッジとして56の専攻があります。チェケメタ・コミュニティ・カレッジのマクミンビルキャンパスも市内にあります。

インフラ

交通

道路: オレゴン州道99号西線、18号線、47号線が通っています。
空港: マクミンビル市営空港があります。
鉄道: ポートランド・ウエスタン鉄道が利用可能です。
バス: 都市間バスがニューバーグ、タイガード、ヒルズボロ、セイラム方面へ運行しています。

電気水道は、1888年からマクミンビル電気水道局によって提供されています。

医療

ウィラメットバレー医療センターが、マクミンビルの医療を担当しています。

著名な住人

スコット・ブロシアス: メジャーリーガー、リンフィールド・カレッジ卒業
ビバリー・クリアリー: 児童作家、全米図書賞、ニューベリー賞受賞者
ジョー・パターソン: メジャーリーガー

マクミンビルは、歴史、文化、産業が豊かに融合した魅力的な都市です。ぜひ一度訪れてみてください。

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