マツダ・ボンゴフレンディ

マツダ ボンゴフレンディ：電動ルーフが魅力のミニバン

マツダがかつて製造・販売していたボンゴフレンディは、1995年から2006年まで生産されたミニバンです。ボンゴワゴンとブローニィワゴンの後継モデルとして登場し、特徴的な電動開閉式ルーフ「オートフリートップ」を搭載したことで人気を博しました。

オートフリートップ：アウトドアに最適な空間

ボンゴフレンディの最大の特徴は、なんといってもダイキョー・ベバスト（現・ベバストジャパン）製のオートフリートップです。この電動ルーフは、ボタン操作で持ち上がり、キャンピングカーのような広い空間を出現させます。子供なら立てるほどの高さがあり、大人2人が就寝できるスペースも確保されています。クッション敷きの床や虫除け網付きの窓など、快適性も考慮された設計です。ルーフ上部には固定式のサンルーフがあり、オートフリートップの開閉に関わらず採光性を確保。さらに、アクセスホールが使えない状態でも飲み物などをやり取りできる小窓も備えられており、細部まで使い勝手の良さが追求されています。

オートフリートップは、車中泊やキャンプなどアウトドアレジャーに最適な機能です。通常のルーフと比べて全高が高いため、5ナンバーサイズながら3ナンバー登録となります。なお、オートフリートップ非搭載の通常ルーフモデルもラインナップされ、スライド式サンルーフを選択することもできました。

メカニズムとバリエーション

ボンゴフレンディは、前軸を前進させたセミキャブオーバーデザインを採用していますが、エンジンは運転席下に搭載されるキャブオーバー構造です。プラットフォームにはSGプラットフォームを使用し、駆動方式は後輪駆動と四輪駆動が選択可能でした。エンジンは、2.5L V型6気筒ガソリン、2.0L 直列4気筒ガソリン、2.5L 直列4気筒ディーゼルの3種類が用意されていました。

初期型には、3列目シートをギャレーなどに変更した「RF-Vキャンパー」という特殊用途車グレードが存在し、8ナンバー登録となっていました。また、数々の特別仕様車も設定され、エアロパーツやアルミホイール、専用装備などを追加したモデルが販売されました。マイナーチェンジを経て、オートフリートップの開口面積拡大、インテリアの質感向上、ディーゼルエンジンの性能向上などが図られています。

販売とOEM供給

ボンゴフレンディは、マツダ店、アンフィニ店、ユーノス店、マツダアンフィニ店、マツダオートザム店で販売されました。さらに、マツダと提携関係にあったフォード・モーターへもOEM供給され、「フォード・フリーダ」としてオートラマで販売されていました。フリーダはスペクトロンの後継モデルという位置づけでしたが、スペクトロンも1997年まで併売されていました。車名の「ボンゴフレンディ」は、スペイン語の「Fresca（爽快）」と「Eda（集まり）」を組み合わせた造語で、「爽快な運転気分でたくさんの人が集まるクルマ」という願いが込められています。

まとめ

ボンゴフレンディは、革新的なオートフリートップと実用的なミニバンとしての機能性を両立させたモデルでした。生産終了後も根強い人気を誇り、その独特の存在感は、マツダの歴史において重要な位置を占めています。2008年に登場したビアンテが事実上の後継車種とされていますが、ボンゴフレンディが持つ独特の個性は、他に類を見ないものです。

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