マンドゥールン・ハーン

マンドゥールン・ハーン

マンドゥールン・ハーン（1438年 - 1479年）は、15世紀のモンゴルを統治したハーンであり、北元（第18代）の第32代ハーンとして知られています。彼はアジャイ太子の息子として生まれ、その生涯は激動と権力闘争に彩られました。

生涯

1438年、マンドゥールンはアジャイ太子とオイラト出身のハトンとの間に誕生しました。1452年には、兄であるタイスン・ハーン、アクバルジ晋王らと共に、四オイラト討伐に出陣。しかし、アクバルジ晋王がタイスン・ハーンを裏切ったことで、戦いはオイラト側の勝利に終わります。

1466年にモーラン・ハーンが暗殺されると、モンゴルは9年間の空位時代に入り、モーリハイ、斉王ボルナイ、オロチュ少師といった有力者が実権を握りました。1471年、マンドゥールンは河套に入りハーンを称し、オイラトのベグ・アルスランがタイシとなります。

1473年、マンドゥールンはボルフ晋王と共に韋州に侵攻しますが、明の王越の奇襲によって大敗を喫し、河套への侵入を阻まれます。

1475年、38歳でハーンに即位したマンドゥールンは、マルコルギス・ウケクト・ハーンの仇を討つため、ハチウンの一族ドーラン・タイジを討ち、七トゥメトを征服しました。しかし、兄弟のような関係であったボルフ晋王との間には、ハリューチンのホンホラやヨンシエブのイスマイル・タイシの讒言により亀裂が生じ、最終的にボルフ晋王を攻撃するに至りました。

マンドゥールン・ハーンには男子がおらず、娘のボロクチン公主をウイグトのベグ・アルスラン・タイシに、エシゲ公主をモンゴルジン・トゥメンのホサイ・タブナンにそれぞれ嫁がせました。1479年、42歳で死去。

マンドゥールン・ハーンの時代

マンドゥールン・ハーンの時代は、モンゴルが再び統一に向かう兆しを見せた時期でした。しかし、有力部族間の対立や明との関係など、多くの課題を抱えていました。彼の死後、モンゴルは再び分裂の時代を迎えることになります。

参考文献

羽田明、佐藤長 他訳注『騎馬民族史3 正史北狄伝』（東洋文庫、平凡社、1973年3月）
岡田英弘訳注『蒙古源流』（刀水書房、2004年、ISBN 4887082436）

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