ミニヤー

ミニヤーについて

ミニヤー（アラビア語：المنيا）はエジプトの上エジプト地域にあるミニヤー県の県都で、カイロから南へ約245km、ナイル川の西岸に位置しています。この街の名前は、古代エジプト語で「クフを育てた都市」を意味する「Men'at Khufu」に由来しており、クフ王の伝説が引き継がれています。また、コプト語の「居住地」を意味する言葉から派生した可能性もあると言われています。

地理と人口

ミニヤーは中部エジプトの重要な交通路の要所であり、地域の人々からは「上エジプトの花嫁」とも呼ばれています。約28.3万人の人口を抱え、そのうち約50%がコプト正教会の信者です。地域にはミニヤー大学や新ミニヤー博物館、またスーザン・ムバラク芸術センターなどの教育・文化機関があります。

歴史

古代エジプト時代

古代において、ミニヤーは重要な貿易の中心地として発展しました。紀元前3200年頃、メネス王がエジプトを統一し、第16ノモスに組み込まれました。この頃に「メナート・クフ」という名が付けられ、古王国の時代には州都として繁栄を遂げます。アメンエムハト2世の治世以降、地域の権力者は権力を失いますが、依然として多くの歴史的遺物が残っています。

ギリシャ・ローマ時代

ヘルモポリスが州都となり、トート神への礼拝の中心地として知られるようになります。また、130年にはローマ帝国のハドリアヌス帝がアンティノポリスを創建しました。323年には聖ヘレナによる修道院が建設されるなど、キリスト教徒の信仰の中心地でもありました。

アラブ時代

アッバース朝時代においては名総督イブン・ハシブの名がついたことにより、ミニヤーは中世都市へと成長します。この時代にはモスクや学校、公共の施設が増築され、市の発展が続きました。また、著名な旅行家イブン・バットゥータも訪れており、その時代の教育機関の発展を称賛しています。

近代

19世紀に入り、ムハンマド・アリーがエジプト総督として地域を改革し、ミニヤーは農業生産力の高い都市へとなります。綿花の生産が盛んで、特にイスマーイール・パシャ時代には都市の近代化が進みました。この時期には西洋様式の建物も多く建設され、ミニヤーの経済がますます重要になりました。

現代

エジプト革命の後、人口移動や経済的な変動が受け入れられ、都市間の格差が広がっています。旧市街では人口密度が増加し公共施設が不足する一方、コロニアル地区では一部の住人が富を失い、整備されることが求められています。

経済と気候

ミニヤーの経済は公共セクターが中心で、セメントや農業生産などが主要な産業です。気候は砂漠気候に属し、夏は高温、冬は寒冷な特徴があります。平均降水量はごく少なく、特に冬季には霜が降りることもあります。

有名人

この地からは著名な作家ターハー・フセインや、元大統領の妻スーザン・ムバラクなど、様々な人物が誕生しています。ミニヤーはその歴史的価値とともに、今日も変わらない文化を保ちながら発展を続けています。

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