ムーン・パイ

ムーンパイ：アメリカ南部を代表するお菓子

ムーンパイ（MoonPieまたはMoon pie）は、アメリカ合衆国で愛される伝統的なお菓子です。2枚の丸いグラハムクラッカーの間にマシュマロを挟み、全体をチョコレートなどでコーティングした、シンプルながらも奥深い味わいが特徴です。

ムーンパイの特徴

構成: 2枚のグラハムクラッカー、マシュマロ、チョコレートまたはその他のコーティング
サイズ: 一般的なものは直径約10cm、ミニサイズや3枚重ねのダブルデッカータイプも存在
フレーバー: チョコレート、バニラ、ストロベリー、バナナ、レモン、オレンジ、ピーナッツバター、ミントなど多様
定番の組み合わせ: RCコーラとのセットが一般的で、アメリカ南部では特にポピュラー

歴史

ムーンパイは1917年からテネシー州チャタヌーガのチャタヌーガ・ベイカリーで製造されています。創業者のアール・ミッチェル・ジュニアが、ケンタッキー州の炭鉱労働者が好むお菓子について尋ねたところ、「グラハムクラッカーとマシュマロ、そしてチョコレートでコーティングされたもの」という答えがあったことが、ムーンパイ誕生のきっかけとなりました。炭鉱労働者が示した満月のような大きさも、ムーンパイのサイズを決める上で参考になったと言われています。

RCコーラとの組み合わせは、安価でボリュームがあることから労働者の昼食として親しまれるようになり、1950年代にはその人気が歌にもなりました。

ムーンパイとイベント

各地でムーンパイを祝うイベントが開催されています。

大晦日: アラバマ州モービルでは、巨大なムーンパイ型のライトがカウントダウンに使われ、新年には世界最大のムーンパイが作られます。
RC&ムーンパイ・フェスティバル: テネシー州ベル・バックルで毎年開催。
ムーンパイ早食い大会: アラバマ州ベセマーなどで開催。
ムーンパイ・フェスティバル: テネシー州ニューポートで毎年開催。
マルディグラ: アラバマ州モービルでは、パレードで観客にムーンパイを投げる伝統があります。

栄養成分

ムーンパイは、低脂肪ではありますが、糖分を多く含んでいます。特にチョコレートでコーティングされたミニムーンパイの栄養成分は以下の通りです。

ミニムーンパイ (57g): 226カロリー、脂肪5.7g (飽和脂肪酸3.5g)、炭水化物40g、タンパク質4g、鉄分5%
ミニムーンパイ (34g): 152カロリー、脂肪4.5g (飽和脂肪酸3g)、炭水化物26g、タンパク質2.5g

他のフレーバーでは栄養成分が異なる場合があります。

ムーンパイの材料

ムーンパイの主な材料は、小麦粉、コーンシロップ、砂糖、ショートニング（水素添加大豆油、綿実油、ココナツオイル、パーム核油、パーム油など）、大豆粉、ココアパウダー、ココア、コーシャーゼラチン、重曹、レシチン、塩、香料、亜硫酸ナトリウムなどです。また、ナイアシン、還元鉄、硝酸チアミン、リボフラビン、葉酸などの栄養素も含まれています。

類似商品

ムーンパイに似たお菓子は世界中に存在します。アメリカ北部では「スクーター・パイ」、1枚のクラッカーにマシュマロを乗せた「マロマーズ」などがあります。また、イギリス、オーストラリア、カナダの「ワゴン・ホイール」、日本の「エンゼルパイ」も類似商品として知られています。

韓国の「チョコパイ」、メキシコの「Mamut」や「Rocko」、トルコの「Halley」なども、ムーンパイに似たお菓子として挙げられます。

ムーンパイの関連事項

アルファホール
チョコレートコーティングされたマシュマロのお菓子
チョコパイ
フラッファーナター
スモア
ウーピーパイ
グー・グー・クラスター

まとめ

ムーンパイは、アメリカ南部の人々にとって、単なるお菓子以上の存在です。その歴史、多様なフレーバー、そしてRCコーラとの絶妙な組み合わせは、地域の人々に愛され続けています。各地で開催されるフェスティバルやイベントを通じて、ムーンパイはこれからも多くの人々に親しまれるでしょう。

外部リンク

チャタヌーガ・ベイカリー公式サイト (英語)
チャタヌーガ・ベイカリー (英語) - オンライン・テネシー百科事典

もう一度検索