メイド・イン・ザ・シェイド

ローリング・ストーンズのベスト・アルバム『メイド・イン・ザ・シェイド』(Made in the Shade)は、1975年にリリースされ、70年代を代表するロックバンドの輝かしい軌跡を凝縮した作品として高く評価されています。このアルバムの特徴は、ギターリスト、ミック・テイラーが在籍していた時期、すなわち1971年から1974年にかけて発表されたスタジオアルバムからの選曲に集約されています。

具体的には、『スティッキー・フィンガーズ』(1971年)、『メイン・ストリートのならず者』(1972年)、『山羊の頭のスープ』(1973年)、そして『イッツ・オンリー・ロックン・ロール』(1974年)といった、ストーンズのキャリアにおいて重要な位置を占めるアルバムから、厳選された楽曲が収録されています。

選曲の基準は、主にローリング・ストーンズ・レコード設立後発表されたシングルA面曲です。しかしながら、シングル曲に留まらず、アルバム未収録ながら人気の高い楽曲も収録されている点が、このベストアルバムの大きな魅力となっています。例えば、シングルB面曲として知られる「ダンス・リトル・シスター」や「ビッチ」は、アルバム未収録であったにも関わらず、その高い人気から収録されました。さらに、「リップ・ディス・ジョイント」も収録されており、この曲はシングルリリースはされていませんでしたが、ストーンズの代表曲として名高い楽曲です。

全楽曲は、ミック・ジャガーとキース・リチャーズの共作となっており、彼らのソングライティングにおける緊密な連携と、完成度の高い楽曲群が、このアルバムを彩っています。

SIDE Aには、「ブラウン・シュガー」や「ダイスをころがせ」、「ハッピー」、「ダンス・リトル・シスター」、「ワイルド・ホース」といった、ストーンズの代表曲かつ人気曲が目白押しです。いずれも、彼らの音楽性を象徴する楽曲であり、ストーンズサウンドの多様性を示すものです。特に「ワイルド・ホース」は、その美しいメロディーと切ない歌詞で多くのファンを魅了した名曲として知られています。

SIDE Bには、「悲しみのアンジー」、「ビッチ」、「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」、「ドゥー・ドゥー・ドゥー（ハートブレイカー）」、「リップ・ディス・ジョイント」が収録されています。「悲しみのアンジー」は、ストーンズのバラード曲として高い人気を誇り、その繊細な表現力は、彼らの音楽性の幅広さを示す好例と言えるでしょう。「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」は、ストーンズを代表するロックナンバーであり、そのシンプルながらも力強いサウンドは、世代を超えて愛されています。

『メイド・イン・ザ・シェイド』は、単なるベストアルバムではなく、ミック・テイラー在籍時のストーンズの音楽性を凝縮した、彼らの黄金時代を象徴する作品と言えるでしょう。シングルヒット曲を中心とした選曲に加え、アルバム未収録の人気曲も収録されている点が、このアルバムの魅力です。ストーンズファンにとって、必携の一枚と言えるでしょう。

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