モンテレー (空母)

軽空母「モンテレー」(USS Monterey, CVL-26) の生涯

「モンテレー」は、アメリカ海軍のインディペンデンス級軽空母の5番艦として、その名を歴史に刻みました。艦名は米墨戦争のモンテレーの戦いに由来し、同名艦としては3代目にあたります。当初は軽巡洋艦「デイトン(USS Dayton, CL-78)」として起工されましたが、後に空母へと改装され、1943年6月17日に就役しました。

太平洋戦争での活躍

就役後、「モンテレー」は太平洋戦線に投入され、数々の重要な作戦に参加しました。1943年11月にはギルバート諸島攻略戦でマキン島への攻撃支援を行い、その後、ビスマルク諸島への攻撃にも参加しました。カビエン攻撃では、日本海軍の軽巡洋艦「能代」や駆逐艦「皐月」「文月」などに損害を与えました。1944年にはクェゼリン環礁やエニウェトク環礁への上陸作戦を支援。さらに、カロリン諸島、マリアナ諸島、北ニューギニア、小笠原諸島などへの攻撃に参加し、トラック諸島やサタワン環礁への攻撃、マリアナ沖海戦にも参戦しました。

オーバーホール後、ウェーク島攻撃やフィリピン、沖縄方面への攻撃にも参加。レイテ沖海戦では、レイテ島やミンドロ島への上陸作戦を支援しました。しかし、激戦の最中、コブラ台風に遭遇し、艦は大損害を受けます。艦載機は固定ケーブルで引き裂かれ、格納庫では火災が発生、航行不能に陥りました。この時、後のアメリカ大統領となるジェラルド・R・フォードが乗艦しており、九死に一生を得ています。この台風で死者3名、重軽傷者40名が出ました。

修理後、「モンテレー」は沖縄攻略戦に参加し、南西諸島や九州への攻撃を実施。終戦間際には、本州や北海道への攻撃も行い、青函連絡船の撃沈にも関与しました。呉軍港空襲にも参加し、日本海軍の壊滅に大きく貢献しました。

戦後の活動

終戦後は復員輸送任務に従事し、多くの兵士を帰国させました。その後、1947年に予備役となりましたが、朝鮮戦争勃発により1950年に再就役。以後は訓練任務に従事し、多くのパイロット育成に貢献しました。1954年にはホンジュラスでの洪水救助任務にも参加しています。1956年に再び退役し、1971年にスクラップとして売却されました。

「モンテレー」の戦果と栄誉

「モンテレー」は、第二次世界大戦中に5隻の敵艦撃沈、多数の艦艇の破壊、数百機の敵機撃墜という輝かしい戦果を挙げました。その功績により、11もの従軍星章を受章しました。また、その後の大統領となるジェラルド・R・フォードが乗艦していたことでも知られています。

参考文献

C. レイモンド・カルフォーン 著、妹尾作太男・大西道永 訳『神風、米艦隊撃滅』朝日ソノラマ、1985年。ISBN 4-257-17055-7。
石井勉『アメリカ海軍機動部隊 英和対訳対日戦闘報告/1945』成山堂書店、1988年。ISBN 4-425-30121-8。
E・B・ポッター/秋山信雄（訳）『BULL HALSEY/キル・ジャップス！ ブル・ハルゼー提督の太平洋海戦史』光人社、1991年、ISBN 4-7698-0576-4

関連項目

アメリカ海軍航空母艦一覧
アメリカ海軍艦艇一覧
ジェラルド・R・フォード
モンテレー (CG-61)
デイトン (軽巡洋艦)

外部リンク

Navy photographs of Monterey - ウェイバックマシン（2001年2月18日アーカイブ分）
"How Lieutenant Ford Saved His Ship," New York Times Op=Ed by Robert Drury and Tom Clavin, authors of "Halsey's Typhoon," December 28, 2006.
* USS Monterey at Nine Sisters Light Carrier Historical Documentary Project

この記事は、アメリカ合衆国政府の著作物であるDictionary of American Naval Fighting Shipsに由来する文章を含んでいます。

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