ユニファイド・プロテクター作戦とは？意味をやさしく解説

ユニファイド・プロテクター作戦とは

ユニファイド・プロテクター作戦は、2011年にリビアで発生した内戦を受けて、国際連合安全保障理事会決議1970および1973に基づき、北大西洋条約機構（NATO）が主導して行われた軍事作戦です。当初はリビアに対する武器禁輸措置を目的とした海上作戦として開始されましたが、後に飛行禁止空域の設定や人道支援など、その範囲は拡大しました。

作戦の目的

この作戦の主な目的は以下の通りです。

リビアに対する武器および傭兵の流入阻止
リビア上空の飛行禁止空域の設定と維持
リビア国民の保護

指揮系統

作戦の指揮系統は以下の通りです。

政治的決定：北大西洋条約機構理事会
全体指揮：欧州連合軍最高司令官（ジェームス・スタヴリディス海軍大将）
戦術級指揮：ナポリ統連合軍司令部副司令官（シャルル・ブシャール空軍中将）
海軍部隊指揮：ナポリ連合海軍部隊司令官（リナルド・ヴェリ海軍中将）
空軍部隊指揮：イズミル連合空軍部隊司令官（ラルフ・ジョディス2世空軍中将）

参加国と展開戦力

多くのNATO加盟国が、海軍および空軍部隊を派遣して作戦に参加しました。

海軍部隊

ベルギー：機雷掃討艇
ブルガリア：フリゲート
カナダ：フリゲート、対潜哨戒ヘリコプター
フランス：航空母艦、戦闘機、攻撃機、早期警戒機、ヘリコプター、駆逐艦、フリゲート、補給艦、原子力潜水艦
ギリシャ：フリゲート
イタリア：航空母艦、攻撃機、対潜哨戒ヘリコプター、フリゲート、補給艦、哨戒艇
オランダ：機雷掃討艇
ルーマニア：フリゲート
スペイン：フリゲート、潜水艦
トルコ：フリゲート、潜水艦、補給艦
イギリス：フリゲート、掃海艇、ヘリコプター、海兵隊
アメリカ合衆国：フリゲート

空軍部隊

ベルギー：多用途戦闘機
カナダ：多用途戦闘機、輸送機、空中給油機、対潜哨戒機、特殊部隊
デンマーク：多用途戦闘機、輸送機
フランス：多用途戦闘機、戦闘爆撃機、偵察機、空中給油機、早期警戒管制機、電子情報収集機、空挺部隊
ギリシャ：多用途戦闘機、早期警戒管制機
イタリア：電子戦機、多用途戦闘機、早期警戒管制機
オランダ：多用途戦闘機、空中給油機兼輸送機
ノルウェー：多用途戦闘機、輸送機
カタール：戦闘機、輸送機
スペイン：多用途戦闘機、空中給油機、海洋哨戒機
スウェーデン：戦闘機、空中給油機、早期警戒管制機
アラブ首長国連邦：多用途戦闘機、戦闘機
イギリス：攻撃/戦闘機、多用途戦闘機、空中給油機

作戦行動

2011年3月31日にNATOがリビアにおけるすべての作戦指揮権を掌握し、フランス軍機が最初の作戦に出撃しました。作戦内容は、偵察機の支援を受け、ラファールとミラージュ2000Dによる航空阻止攻撃でした。その後も、飛行禁止措置のため、戦闘機が展開されました。

ユニファイド・プロテクター作戦