ラグージー・ボーンスレー2世

ラグージー・ボーンスレー2世の生涯

ラグージー・ボーンスレー2世（Raghuji Bhonsle II）は、インドのマラーター同盟におけるボーンスレー家の重要な当主であり、彼の治世は1788年から1816年までの間でした。彼の生涯は、マラーター王国の発展と激しい内紛、戦争を背景に展開されました。

幼少期と即位

ラグージーの出自は、彼の父マードージー・ボーンスレーの兄であるジャーノージー・ボーンスレーの養子として始まります。1772年、ジャーノージーが亡くなった際、ラグージーはまだ幼少であったため、父が当主としてその後の家を支えることとなりました。1788年、父が亡くなると、ラグージーは当主の座に就き、その後の治世を導くことになります。

領土の拡大

ラグージーの治世の初期、1795年3月にはカルダーの戦いが勃発。彼は自らの軍を送り、戦況を有利に進めることに成功しました。軍の指揮を任されたヴィッタル・バッラールの戦功によって、ボーンスレー家はニザーム王国からの領土割譲とともに290万ルピーの貢納金を獲得します。この時期、ボーンスレー家はマラーター王国を超える広大な領地を有するに至り、年間の収入も1110万ルピーに達しました。

内紛と政治的混乱

1795年11月、マラーター王国の宰相マーダヴ・ラーオ・ナーラーヤンが自殺した後、ラグージーは自ら宰相としての地位を主張しましたが、1796年にはバージー・ラーオ2世が宰相となります。この頃、ヤシュワント・ラーオ・ホールカルが内乱を避けるために逃亡し、ラグージーは彼を捕らえることに成功しましたが、逃げられてしまうという事件も起きました。

1802年にはヤシュワントがプネーの戦闘で勝利を収め、宰相はイギリスとの軍事保護条約を結ぶことになります。ラグージーはこのイギリスの介入を大いに懸念したため、同年6月にヤシュワントらと同盟を結ぶことを決意します。

第二次マラーター戦争

1803年6月、第二次マラーター戦争が開戦し、ボーンスレー家とシンディア家は共に連携して戦うことになります。しかし、連合軍は次々と敗北し、特にアッサイェの戦い、ラスワリーの戦い、そしてアルガーオンの戦いで苦杯を嘗める結果となりました。12月、ボーンスレー家はイギリスと講和条約を締結し、この戦争から早々に離脱しますが、その結果として多くの領土を手放すことを余儀なくされます。

晩年と死

戦争の終結後、ボーンスレー家は領土の約3分の1をイギリスに割譲することとなり、これにより家計は厳しい状況に陥りました。そのため、農民たちから新たな税金を導入し、過酷な取り立てを行う事態に発展します。また、1807年にはボーパールへ軍を送ることでも反発を招くことになります。1816年、ラグージーはナーグプルでこの世を去ります。彼の死はボーンスレー家にとって、新たな時代の到来を意味しました。

まとめ

ラグージー・ボーンスレー2世の治世は、彼自身の名声と権力の拡大を背景に、マラーター同盟の変動する歴史の一側面を浮き彫りにするものでした。彼の生涯からは、権力の維持と領土の拡大がどれほど複雑で困難であるかを感じ取ることができます。

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