ラパス県 (ボリビア)

ラパス県：ボリビアの多様な魅力を凝縮した地

ラパス県は、ボリビアのアンデス地方に位置する県であり、その地理的、文化的、歴史的な多様性において、ボリビアを代表する地域の一つと言えるでしょう。事実上の首都であるラパス市を擁し、チチカカ湖、ユンガス地方など、変化に富んだ景観が広がっています。

地理

ラパス県の西側はペルー、チリとの国境に接し、北はパンド県、東はベニ県とコチャバンバ県、南はオルロ県と隣接しています。県内には、標高4000mを超える広大なアルティプラーノが広がり、寒冷な気候と独特の植生が見られます。アルティプラーノでは、羊やリャマが飼育されており、アンデスの人々の生活を支えています。ラパス市から望むことができるイリマニ山は、アンデス東山脈の最高峰であり、その雄大な姿は見る者を魅了します。

ラパス市のすぐ南には、「月の谷」と呼ばれる特異な景観が広がっています。風雨による浸食で形成された赤茶けた尖った断崖は、まるで月面を歩いているかのような錯覚を覚えます。近年、遊歩道が整備され、観光地として人気を集めています。また、月の谷の近くには動物園もあり、ラパス市民の憩いの場となっています。

ラパス市から日帰り圏内には、かつてスキー場として知られたチャカルタヤ山があります。標高5395mに位置し、スキー場としては世界最高地でした。チャカルタヤには、日本の援助による宇宙線観測所があり、研究者たちが宇宙の謎に挑んでいます。

ラパス市の北東に位置するユンガス地方は、アンデス山脈を下った温暖な地域であり、果樹栽培に適しています。インカ帝国の時代に作られた石畳の道が残り、「インカの道」として散策路になっています。チョロ村やタケシ村を通るコースが有名ですが、標高が高く、公共交通機関が限られているため、本格的なトレッキングの準備が必要です。

歴史と文化

ラパス県には、世界遺産に登録されているティワナク遺跡があります。ティワナクは、紀元前から12世紀頃まで栄えた古代都市であり、アンデス文明の重要な中心地でした。石造りの建造物やモノリスは、当時の高度な技術と文化を今に伝えています。

隣接する県と国

パンド県
ベニ県
コチャバンバ県
オルロ県
アリカ・イ・パリナコータ州（チリ）
タクナ県（ペルー）
プーノ県（ペルー）
マードレ・デ・ディオス県（ペルー）

郡

ラパス県は20の郡に分かれています。

言語

ラパス県では、スペイン語に加え、アイマラ語、ケチュア語、グアラニー語が話されています。

主な見どころ

イリマニ山：アンデス山脈の雄大な山
チチカカ湖：南米最大の湖
* チャカルタヤ山：かつて世界最高地のスキー場

ラパス県は、その多様な地理的景観、豊かな文化、そして歴史的な遺産によって、訪れる人々を魅了し続けています。

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